2009年12月17日(木)「しんぶん赤旗」
パチンコATM 銀行撤退へ
「社会的批判」に配慮
契約3行中1行が表明
客が過大な資金を使う「のめりこみ」被害を広げると批判されているパチンコ店内銀行ATM(現金自動預払機)問題で、事業をすすめているトラストネットワークス社(東京・中央区)と提携している銀行が、パチンコ店内からの撤退の意思を表明したことが16日、本紙の調べで明らかになりました。
トラスト社と提携し、ATMを供与していた関東の地方銀行は、パチンコ店内ATMについて「新規の設置は中止し、既存のATMについても運用を中止しパチンコ店以外の場所に移設するようトラスト社に要請した」と、本紙の問い合わせに答えました。
その理由は、「さまざまな社会的批判を受けたこと、他の金融機関への影響も配慮して決めた」(同行広報)と説明しています。
ATMは、金融機関の「出張所」であり、金融機関以外が設置することはできません。トラスト社は、提携する金融機関の協力なしにはATMを設置することも、全国的なATM網を利用することもできません。
トラスト社は2007年にパチンコ店内ATM設置事業を始めるさい、数十の銀行にたいして提携を提案しました。しかし、これに応じて提携契約にいたった銀行は「3行だけだった」(同社広報)としています。
今回撤退を決めた地方銀行は、このうちの1行です。他の提携銀行の判断次第では、パチンコ店内ATM設置事業の継続は困難になるものとみられます。
本紙は、11月12日付での報道以来6回にわたってパチンコ店内ATM問題を報じ、その問題点を明らかにしてきました。
トラストネットワークス広報の話 提携先金融機関から要請をうけたことは事実だ。今後、必要な改善をはかっていきたい。