2009年12月15日(火)「しんぶん赤旗」
ひき逃げ米兵渡せ
読谷村民が大会
沖縄
「米兵を引き渡せ! 村民はたたかうぞー」―。沖縄県読谷村役場で13日、「米軍人によるひき逃げ死亡事件に抗議する読谷村民総決起大会」が行われました。1500人が、容疑者米兵の日本側への引き渡しや日米地位協定の見直しを求める怒りのシュプレヒコールを上げ、米軍基地までデモ行進しました。
あいさつした大会実行委員長の安田慶造村長は、「容疑者を特定しながら日本政府と警察が引き渡しを求めない。こんなばかな話があるか。悲しみをどこに向ければいいのか」と語気を強めると、「そうだ」の声があがりました。
事件は、11月7日に同村楚辺で外間政和さん(66)が被害にあい、亡くなりました。容疑者とされる同村米陸軍トリイ基地所属の米兵は、同基地内にいます。同米兵は先月14日以降、警察の任意の事情聴取を拒否。日米地位協定では米兵容疑者の日本側への身柄引き渡しは起訴後とされ、警察の捜査は難航しています。
事件後1カ月以上たちますが、事件解明のめどさえたたず、「村民そして県民の怒りは頂点に達し」(大会抗議声明)ています。
前田善輝村議会議長は、「一致団結し、この決起を全国に広めないといけない。日米地位協定で基地に逃げ込めば保護される米兵が駐留するなら、まだまだ(米兵犯罪は)起きる。沖縄県民の怒りと限界は爆発」だと力をこめました。
1965年同村で起きた米軍機からのトレーラー落下事件で死亡した女子小学生と同期の女性(55)は、「事件を思い出して悔しくて駆けつけた。アメリカ人も私たちも命の重みは同じだ。子や孫にこんな思いをさせたくない」と切々と語りました。
安田村長らは21日に上京し、政府に抗議決議文を渡す予定です。