2009年12月11日(金)「しんぶん赤旗」
高額賞与支払えば
英、銀行に新課税
財務相発表
【ブリュッセル=小玉純一】英国のダーリング財務相は9日、下院の予算編成方針に関する演説を行い、国内銀行が従業員に高額の賞与を支払った場合、その銀行に新たに課税すると発表しました。
それによると、2万5000ポンド(約358万円)を超える賞与を支給した場合、超過分について、50%の税を銀行に課します。期間は当面、来年4月5日まで。5億5000万ポンド(約786億5000万円)の税収を見込んでいます。従業員は従来どおりの所得税を払います。
財務相は「銀行は公的資金で救済した。利益を基盤強化に使わず報酬にあてるなら納税者に資金を戻す」と述べました。
英国では、経営再建のため公的資金を受け取った銀行の経営者が高額の年金・報酬を得ていることに、世論の批判が噴出。金融機関に対する高率の新税を導入すべきだという提案もありました。
今回の発表についてロイター通信は、総選挙を控え、劣勢の伝えられる与党・労働党が世論の支持を取り戻そうとしたものとの見方を紹介しています。
ただ野党・保守党も今回の課税には賛成しています。