2009年12月11日(金)「しんぶん赤旗」
外国基地撤去へ運動
平和大会国際シンポ始まる
「2009年日本平和大会in神奈川」(11〜13日、実行委員会主催)の開会に先立ち10日、国際シンポジウムが横浜市で始まりました。米国、韓国、ドイツ、フィリピン、エクアドルから代表が参加し、軍事同盟からの脱却や非核・平和の世界を目指す運動を交流しました。11日も開かれます。
初めて政府代表として参加したエクアドルのハビエル・ポンセ駐日大使が「外国軍基地の設置禁止」を明記した憲法の制定経緯を報告。「核の全面廃絶を重視するよう求める。核不拡散だけを目標とすることは認められない」と明言しました。
米国で海外基地反対運動に取り組むジョン・リンゼー・ポーランド氏は、外国軍基地閉鎖を実現したケースについて「持続的市民運動があり、政府レベルで意思決定につながった」と指摘。韓国・労働者代案社会学習院講師の李俊揆(イ・ジュンキュ)氏は「北朝鮮の核問題と日米・韓米同盟の問題はリンクしている」とし、東アジア全体の平和体制構築を強調しました。
ドイツ平和評議会のハネロア・トゥルケ氏は、北大西洋条約機構(NATO)の変遷にふれ、「欧州の選択肢は、米国と共同歩調をとり続けるか、独自にロシアとの関係を構築するかだ」と発言。1990年代に米軍基地を撤去したフィリピンのコラソン・バルデス・ファブロス氏は、その後も米軍はフィリピンで軍事演習を繰り返していると告発し、監視活動を報告しました。
日本平和委員会の川田忠明常任理事は「日米同盟を不動のものとみる『神話』を乗り越え、新しい日米関係を求める世論の構築を」と呼びかけました。