2009年12月10日(木)「しんぶん赤旗」
失業率10%台
米が追加雇用対策
中小企業減税を拡大
【ワシントン=西村央】オバマ米大統領は8日、ワシントン市内で追加雇用対策について演説し、雇用を創出した中小企業への減税や融資の拡充、インフラ投資の促進、クリーンエネルギーの拡充の3点をあげました。
オバマ氏が今回打ち出した対策は、就任直後の2月に議会で承認された7870億ドルの景気対策に続くものです。失業率が10、11月と連続して10%台と悪化しているなか、新たな対策に乗り出しました。
中小企業向け減税は、景気が回復の兆しがあるなかでも企業が雇用拡大をためらっているとして、減税によって雇用を促進することを狙っています。
大統領は演説の中で「過去15年間をみると、中小企業が米国の雇用の約65%を創出してきた」と指摘。中小企業への対策を重視する姿勢を示し、キャピタルゲイン税の免除のほか、雇用を追加・維持する場合の減税措置、政府保証融資の拡大などを打ち出しました。
インフラ投資では、「(2月の)景気対策ですでに約1万の事業に予算がつけられている」と述べましたが、これを高速道路、鉄道網、空港整備などへさらに広げ、雇用機会の拡大につなげたいとしています。
クリーンエネルギーでは、省エネ型住宅に改造する個人に対して減税措置を盛り込みました。
大統領はまた、昨年10月から実施された金融機関向けの不良資産救済プログラム用の公的資金7000億ドルの支出が、「予想より2000億ドル下回る」と指摘。ここから追加雇用対策の財源を生み出す考えを示しました。ただ、転用する金額などは明示しませんでした。
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