2009年12月5日(土)「しんぶん赤旗」
“ワンストップ・サービス”
年末へ改善 急げ
より広い周知必要
利用者調査報告
労働組合や市民団体有志は4日、仕事・住まい・生活の総合支援相談窓口「ワンストップ・サービス・デイ」が試行された11月30日に行った利用者アンケートの集計結果について、厚労省内で記者会見を開いて報告しました。
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アンケートを行ったのは、元年越し派遣村実行委員やボランティア有志でつくる「年越し派遣村が必要ないワンストップ・サービスをつくる会」。各地に協力を呼びかけ、5都府県10ハローワークで実施し、全利用者2404人中138人(5・7%)から声を聞きました。
利用者のうち、40歳以上が62・3%。今年1〜8月までに失業した人が38・3%、9月が11・7%、10月が10・8%で、失業給付を受けている人は33・3%でした。
ワンストップについて知ったのは、当日ハローワークに来て知ったという人が40・6%に上り、周知が行き渡っていない実態が分かりました。
ワンストップは役に立ったかという質問には、44・9%が「役に立った」と答えましたが、「アドバイスをもらえた」「制度が分かった」というものが多く、その場で解決まで結びついた例は少なく、改善点が浮き彫りになりました。
記者会見では、東京都北区のハローワーク王子に相談に行った男性(34)は「貸付制度では、返済が不安で使えない。生活支援金付き職業訓練を利用したいが、訓練コースに合格できるか分からない」と語りました。
全労連の井上久事務局次長は、「そもそも3人に2人が失業給付を受けられておらず、給付期間を延長するなど、充実が急務だ。第2のセーフティーネットも、お金を渡すまでに数日を要し、手元にまったくお金のない急迫した人が救われない」と指摘。「年末年始に向けて、住居や緊急避難所の確保など早くから準備しなければならない」と強調しました。
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