2009年12月5日(土)「しんぶん赤旗」
請願採択1種だけ 衆院
民主、国民の願い葬る
4日に閉会した臨時国会では、衆議院に提出された139種類の請願のうち採択された請願がたった1種にとどまり、国民390万人余の署名を集めた138種の請願が採択されないという異常事態になりました。
参院では提出された157種類中15種の請願を採択。ところが4日の衆院の各委員会では自民党の欠席を理由に民主党が採択に付さない態度をとりました。自民党が委員長を務める沖縄及び北方問題に関する特別委員会で、「北方領土」の返還促進に関する請願だけが、自民党議員欠席のもとで採択されました。
4日の衆院外務委員会では日本共産党の笠井亮議員が「自民党は自らの意思で欠席しているのだから、請願に対する各党の態度を明らかにして採択に付すべきだ」と主張。同日の衆院厚生労働委員会の理事会では、日本共産党の高橋ちづ子議員が「ぎりぎりまで自民党の出席を促し誠意を尽くしたのだから、国民の請願を大事にすべきだ」と採択に付すよう求めました。
しかしごく一部の委員会を除いて、民主党が横並びで採択に付さないことを決めた結果、細菌性髄膜炎関連ワクチンの定期接種化を求める請願など各党が一致して紹介している請願や、現行保育制度に基づく保育施策の拡充を求める請願など参院では採択された請願も葬られました。
憲法16条が定める国民の請願権をないがしろにする民主・自民の責任が問われる事態です。