2009年12月5日(土)「しんぶん赤旗」
核廃絶条約締結へ交渉を
抑止力論脱却カギ 非核政府の会シンポ
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「鳩山政権下、非核日本への道を探る」をテーマに非核の政府を求める会は4日、東京都内でシンポジウムを開きました。
来年の核不拡散条約(NPT)再検討会議に向け、核兵器をめぐる世界の流れの変化をどうみるかを議論し、同会の果たすべき役割を探っていきました。
軍縮問題が専門の黒澤満・大阪女学院大学教授は、米国内で核政策の変化がおきているとのべ「チャンスをいかさなければならない」と強調。国連安保理での「核兵器のない世界」の条件をつくっていくとの決議の限界を解明したうえで、核廃絶で積極的役割を果たすよう「日本政府を動かしてほしい」と会への要望をのべました。
藤田俊彦・前長崎総合科学大学教授は国連総会で日本が提案した決議「核兵器の全面的廃絶に向けた新たな決意」が従来の延長線上で「究極的廃絶」論にとどまっていると批判。求められているのは、核兵器廃絶条約の締結などの提案だとのべ、非同盟諸国提案の決議に真摯(しんし)に学ぶべきだとのべました。
日本原水協の土田弥生事務局次長は、「核兵器のない世界を」署名をはじめとした運動の強化を呼びかけました。
日本共産党の笠井亮衆院議員は、日本政府が核兵器廃絶条約の早期締結を求める決議に反対したことを国会で追及したことも紹介し、米国でも日本でも、核兵器廃絶の国際交渉の呼びかけと「核抑止力」論からの脱却が試金石になっていると強調しました。
国際問題研究者の新原昭治氏は、「核密約」問題について政府にまかせきりにするのでなく、国民が声をあげなければならないと強調しました。
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