2009年12月3日(木)「しんぶん赤旗」
PCB事故 公表求めず
政府、紙議員に答弁書
政府は1日、日本共産党の紙智子参院議員が有害物質PCB(ポリ塩化ビフェニール)の処理状況の情報公開と労働者の安全衛生対策の徹底を求めて先月18日に提出した質問主意書に対する答弁書を出しました。PCB処理を行っているJESCO(日本環境安全事業株式会社)北海道について「事故等の情報の公表は基本的にJESCO自ら行うもの」などとし、環境省として全容を公表させる方針のないことを明らかにしました。
JESCO北海道では、地元の第三者委員会に報告しているもの以外にも多くの事故・異常・トラブルが発生し、さらにPCBを含む溶液がかかった労働者を翌日に受診させるなど安全衛生対策上の問題が起きています。紙氏は質問主意書で、このままPCBの処理量を増大させればより大きな事故を誘発しかねないと指摘し、事故・トラブルの全面的な把握と分析、地元住民への情報公開を政府の責任で行うよう求めていました。
PCB処理は2016年の完了に向け、04年から全国5カ所のJESCO施設で順次開始。しかし、事故による相次ぐ停止で大幅に遅れています。
政府はこれまで約692億円をJESCOに投入しているにもかかわらず、事故報告の把握と情報公開、施設ごとの財務状況把握、さらに労働安全対策などを厳しく監督していない現状が明らかになっています。
JESCOには環境省の元地球環境局長と元自然環境計画課長の2人が天下っています。