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2009年12月3日(木)「しんぶん赤旗」

米 アフガン増派3万人

大統領 11年7月撤退開始も


 【ワシントン=西村央】オバマ米大統領は1日夜、ニューヨーク州の陸軍士官学校でアフガニスタン新戦略について演説し、来年上半期までに3万人を追加増派するとともに、「アフガン治安部隊への権限移譲が進展すれば、11年7月には撤退開始が可能となる」として、駐留規模の削減を始める時期に言及しました。

 アフガン駐留米軍は今年3万3000人増派され、現在6万8000人。2回目の増派となる今回の決定で、駐留規模は約10万人と、政権発足時の3倍になります。

 大統領は増派理由について、国際的テロ組織アルカイダがアフガンとパキスタン国境を避難場所としていることをあげ、掃討作戦を強化する方向を示しました。さらに、アフガンの治安部隊の養成・訓練の必要性をあげました。北大西洋条約機構(NATO)諸国へも増派を呼びかけていることも明らかにしました。

 「出口戦略」では、アフガン治安部隊への権限移譲の進行度合いを条件としながら、撤退開始時期を明示しました。撤退ペースや完了時期についてはふれませんでした。

 大統領は軍事面とともに文民支援をさらに強化するとして、農業支援を特に重視する考えを強調。アフガンでの成功はパキスタンとの協力が欠かせないとのべました。

 米国のアフガン戦争は01年10月の開始以来、すでに8年1カ月。09年は米兵死者が最悪になるなど戦況が悪化し、世論の支持は低下しています。財政難のなか戦費負担も重く、「出口戦略」なき増派には国民の理解が得られないという事情もありました。



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