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2009年12月1日(火)「しんぶん赤旗」

ビラ配布 不当判決

最高裁 上告棄却 弾圧を追認


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(写真)記者会見で決意を述べる荒川庸生さん。左は松井繁明弁護団長=30日、司法記者クラブ

 東京都葛飾区のマンションで、日本共産党の区議団ニュースや区民アンケートなどを配布した僧侶の荒川庸生(ようせい)さん(62)が住居侵入罪で不当に起訴された葛飾ビラ配布弾圧事件の上告審判決が30日、最高裁第2小法廷であり、今井功裁判長は、荒川さんの上告を棄却する判決を言い渡しました。罰金5万円とした二審の有罪判決が確定します。日中穏やかにビラを配っていただけの荒川さんの行為を「犯罪」に仕立て上げた違憲・違法捜査に基づく弾圧事件を追認した極めて不当な判決です。

 判決言い渡しの前に、松井繁明主任弁護人による異例の意見陳述が認められました。

 松井氏は「商業ビラの配布は日常的に行われており、なぜビラ配布が犯罪なのかという国民の素朴な疑問に判決は答えるべきだ」とのべ、「本件があからさまな共産党弾圧であることは明らか。司法の名でこれを容認するのか」と厳しく指摘しました。

 しかし、判決は「憲法21条1項は表現の自由を無制限に保障したものでなく、思想を発表するための手段であっても、その手段が他人の権利を不当に害することは許されない」などとしました。そのうえで、マンションの玄関ホールにチラシやパンフレットなどの投函(とうかん)を禁止する張り紙があったことなどから、「立ち入りが管理組合の意思に反することは明らか」などと形式的判断に終始しました。

 同事件で、一審東京地裁は2006年、「ビラ配布を処罰対象とする社会通念は確立していない」として無罪判決。07年、東京高裁が逆転有罪の不当判決を言い渡していました。

 判決後、荒川さんは「自由と民主主義、ビラをまき、受け取る権利を勝ち取るたたかいをこれからも続ける」と語りました。


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