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2009年11月29日(日)「しんぶん赤旗」

日本共産党第10回中央委員会総会


 日本共産党は26、27の両日、第10回中央委員会総会を開きました。志位和夫委員長がおこなった報告のなかの「大会決議案の特徴について」と、結語は次のとおりです。


写真

(写真)大会決議案の報告をする志位和夫委員長=26日、党本部

大会決議案の特徴について

志位委員長の報告から

 みなさん、こんにちは。CS通信、インターネット中継をご覧の全国のみなさんにも、心からのあいさつをおくります。

 私は、幹部会を代表して、第25回党大会決議案についての報告をおこないます。決議案は、五つの章から構成されていますが、個々の章の内容についての報告をおこなうのに先立って、決議案の全体の特徴について報告します。

表面の現象の根底にある、「事の本質」を端的に明らかにする

 来るべき大会は、総選挙で自公政権に退場の審判がくだり、日本の政治の大きな変化が始まるという激動的情勢のもとでの大会となります。

 したがって決議案は、日本の政治の現状を大局的に見てどうつかむのか、そのもとで日本共産党はどういう役割を果たすのかについて、日本の政治の大きな流れの中で浮き彫りになるようにいたしました。

 新政権の動きが連日のように報道されます。しかしこの政権の行方は不確定です。それは政権の担い手自身もわからないぐらい不確定な要素が大きいのが実情です。一方、党大会の決議というのは、今後2年から3年にかけて党活動の指針になるものであります。ですから決議案は、いま起こっている表面の現象を追いかけるのではなくて、日本と世界の流れを大局的につかみ、表面の現象の根底にある、「事の本質」を端的に明らかにするようにいたしました。

第1章――日本の政治の現状を大局的にどうつかむか

 第1章は、日本の政治の現状を大局的にどうつかむのかについてのべています。

 この章では、総選挙での国民の審判は、「過渡的な情勢」と特徴づけられる「新しい時期」を開いた、と現状を規定づけています。

 「過渡的」というのは、一方で、自公政権に退場の審判がくだった、大きな前向きの変化が起こったわけでありますが、他方で、日本の政治は「二つの異常」――「異常な対米従属」、「財界・大企業の横暴な支配」から抜け出したとは言えないし、国民は自公政治に代わる新しい政治とは何かの答えをまだ出してはいません。新しい政治の探求の途上にあるということであります。

 決議案では、そういう方向に日本の政治を一歩前に動かした力は、国民の世論と運動、日本共産党のたたかいであることを強調し、ここに確信をもって進もうということをよびかけています。

第2章――「過渡的な情勢」のもとでの日本共産党の三つの任務

 第2章は、そうした「過渡的な情勢」のもとでの日本共産党の任務とは何かを、明らかにしています。

 新しい情勢のもとで、国民は切実な要求を実現することを出発点としながら、政治的体験を一つひとつ積み重ねていくなかで、日本の政治をさらに前に進める自覚と力量を高めていきます。

 ただ、このプロセスは自然には進みません。日本の政治が「二つの異常」から抜け出す力を国民の間にいかにつくりあげていくか、その自覚と力量の前進を後押しし、促進するところに、「過渡的な情勢」のもとでの日本共産党の任務があります。

 決議案は、その内容を3点にわたって提起しています。

 第一は、国民要求にこたえて現実政治を前に動かす任務であります。

 第二は、旧来の政治の「二つの異常」をただし、「国民が主人公」の新しい日本への国民的合意をつくる、という任務であります。

 第三は、日本の政治の反動的逆行を許さない、という任務であります。

 そのうえで決議案は、「過渡的な情勢」がはらむ新しい条件をくみつくして、新しい日本をめざす国民的共同、統一戦線を大いに広げようということをよびかけています。

第3章――世界の動きは、日本の社会進歩の事業の“力強い味方”となっている

 第3章は、大きく変わりつつある世界と日本共産党の立場についてのべています。

 決議案は、世界でも平和と社会進歩への激動が進行しつつあることを、各分野にわたって明らかにしていますが、その解明と叙述にあたって私たちが心がけたのは、いま世界で起こっていることが、さまざまな曲折や逆行をはらみながらも、大局においてみるならば、日本で私たちが取り組んでいる社会進歩の事業こそが世界の本流に立ったものだということを、力強く示しているということであります。つまり世界の動きは大局においてとらえるならば日本での私たちの事業の“力強い味方”になっている。そういう角度から世界論を明らかにしています。

 そのことを、決議案では、米国・オバマ政権をどう見るか、世界に広がる平和の地域共同体の動き、世界経済危機を契機に公正で民主的な国際経済秩序を求める動きが加速していること、「核兵器のない世界」をめざす動きと今後の展望、日本共産党の野党外交などを通じて、明らかにしています。

第4章――参院選勝利、中期的「成長・発展目標」、党建設について

 第4章は、国政と地方政治での躍進、強大な党建設をめざす方針についてであります。

 この章ではまず、7カ月後にせまった参議院選挙での党躍進の条件はどこにあるか、勝利をかちとる政治的意義はどこにあるか、そして選挙の目標と方針について明らかにしています。

 また地方政治の新しい特徴と地方選挙の方針を明らかにし、参議院選挙と一体に、2011年4月のいっせい地方選挙をたたかう方針についてのべています。

 参議院選挙に勝利することは、全党にとって当面の最重要のたたかいであります。第4章はその方針をのべていますが、大会決議案全体が当面する参議院選挙をたたかう政治的方針書ともなっていますから、そういう活用もぜひしていただいて、討論で深めつつ、実践していただきたいと思います。

 この章では、そのうえで、綱領実現をめざして、国政選挙で、中期的展望にたった「成長・発展目標」を持って、その達成のために奮闘する、という新しい問題提起をしています。

 さらに「過渡的な情勢」を前に進める、質量ともに強大な党建設のための方針を提起しています。

第5章――資本主義から社会主義・共産主義へという体制的変革の角度からの世界論

 最後に第5章ですが、ここではふたたび世界論に立ち戻っていますが、この章では、資本主義から社会主義・共産主義へという、体制的変革の角度からの世界論をのべています。

 世界を大きく見ますと、資本主義体制が永久に続くかのような体制絶対化論は、もはや過去のものになっています。世界の資本主義の矛盾の深まりの中で、資本主義批判の動きが世界的に広がり、科学的社会主義への新しい注目が生まれています。

 さらに決議案では、21世紀の世界の現実のなかに、未来社会への動きがさまざまな形で現れていることを概観しています。

 短い章ですが、この結びの章でも心がけたのは、世界のこうした動きが日本でたたかう私たちに新たな展望と勇気を与えるものとなっているということです。こういう見地から体制的変革という角度からの世界論を決議案の最後にあてました。

 以上が決議案の全体の特徴であります。

 (志位委員長は、つづいて、大会決議案の章にそって、それぞれの中心的な内容について、報告しました)


志位委員長の結語

新しい情勢のもとで、大きな政治的な活力、科学的な展望をあたえる内容

 みなさん、2日間の会議、ごくろうさまでした。私は、幹部会を代表して、討論の結語をおこないます。

 討論では2日間で30人の同志が発言しました。決議案の中心点を正面から受け止め、それを深める、政治的にたいへん充実した討論になりました。

 全国では、約1万3千人のみなさんがCS通信、インターネット中継で報告を視聴し、500通を超える感想文が寄せられました。

 総会での発言と全国からの感想で共通しているのは以下の点であります。

 まず、いまの日本の政治の「過渡的な情勢」という特徴がよくわかった、そのもとでの日本共産党の「三つの任務」に誇りと確信を持ったということが共通しています。

 また、討論でも、感想でも、決議案の提起をうけて、参議院選挙に勝利する決意が、自分の気持ちのなかにみなぎった、そしてがんばりぬけば勝利できるという確信を得ることができたということが、こもごも語られています。

 それから、決議案がのべた、中期的展望にたった「成長・発展目標」という提起を歓迎し、おおいに挑戦しようという反応がたくさん寄せられました。「2010年代を党躍進の歴史的時期にしよう」という決議案のよびかけが、全党のみなさんにしっかり受け止められたと思います。

 さらに、党綱領の持つ生命力が、日本でも世界でも、情勢の生きた展開の中で実感され、いよいよ綱領の力が発揮される時代になった、そのことへの確信が語られ、こういう時代に日本共産党員としてたたかえることの幸せ、あるいは「日本共産党員で良かった」という感想も、数多く寄せられました。

 全体として、大会決議案が、全党に、新しい情勢のもとでの大きな政治的な活力、科学的な展望をあたえる内容を持つものであることが、討論や感想で示されました。

 (つづいて志位委員長は、中央委員会総会でよせられた意見をふまえて、大会決議案の修正・補強に関する提案をおこないました。また、総会で出された決議案にかんする質問にたいして、回答しました)

大会決議案を全党の英知を結集して練りあげる

 つぎに、党大会にむけた活動について報告します。大会にむけて、つぎの三つの大きな仕事をやりとげていく必要があります。

 第一の仕事は、大会決議案を全党の英知を結集して練りあげるということです。

 来るべき大会は、歴史的情勢のもとでの歴史的大会になります。そうした大会に提案するのにふさわしい決議案となったと思います。ですから、それにふさわしい歴史的な一大全党討論をおこない、みんなの力で練りあげようではないかということをよびかけたいと思います。

 とくにすべての支部で決議案を討議することに力を注ぎます。大会にむけた支部総会を形式的なものにせずに、総会では必ず決議案の討論をおこなうようにします。同時に、毎回の支部会議で、繰り返し討論をおこなうということも大切であります。決議案の内容は、たいへんに多面的で豊かなものになっています。新しい解明や提起もたくさん含まれています。ですから繰り返しの討論が必要です。繰り返し討論で深め、これを練りあげることを訴えるものです。

 それらのすべての過程で出された意見を、党中央に集中していただきたい。それを最終的な決議案の仕上げと大会での中央委員会報告に生かしたいと思います。

 その前提として、大会決議案を全党員に届けきる仕事に、一刻を惜しんですみやかにとりくみ、やりとげる必要があります。すべての党員に大会決議案を届け、すべての党員が読了し、討論に参加する、そういう党を大会にむけてつくりましょう。党中央として、全党員に決議案を送る措置をただちにとります。これまで党活動に参加できていなかった同志も含めて、一人残らず党員を訪問し、決議案を届けきる、この仕事をやりきろうではありませんか。

 それから読了については、決議案そのものを読むことが基本ですが、機関と支部の責任ある同志が一定時間をかけて説明し討論をすれば読了とみなす、という新しい措置も積極的に活用して、大会までに、文字通りすべての党員、すべての支部で、決議案が旺盛に読まれ、議論されるという状況をつくることを訴えます。

 大会決議案の討論のすすめ方として、総会の討論のなかで、「自分自身の感動を伝えることが大切だ」との発言が出されました。決議案を読んで、それぞれの同志が、「ここに感動した」、「ここが大事だと思った」ということが、それぞれいくつもあると思います。自らの感動を伝えていく。ここが面白いという中身を語っていく。ここが大切です。そういうとりくみならば、だれにでもできるはずです。

 決議案では、「過渡的な情勢」のもとで、わが党が「三つの任務」をやりとげるならば、「おのずと『国民が主人公』の民主的政権――民主連合政府を樹立する条件が開けてくる」ということが書かれています。決議案では、この結論を冒頭にいきなり書くのではなくて、総選挙が開いた日本の新しい情勢の特徴を分析し(第1章)、そのもとでの国民の認識の発展のプロセス、それを後押しし促進する党の任務を解明し(第2章・第5項から第9項)、党がそういう任務をやり遂げれば、「民主連合政府を樹立する条件が開けてくる」ということを、第2章の第10項ではじめてのべています。そういう叙述のなかで、結論的に導き出されているわけですが、ここにロマンを感じたという感想もずいぶん語られています。そうしたロマンを伝えていく、自分自身の感動を伝えていく。感動を伝えることこそが、政治指導であり、政治援助そのものであると思います。そうした姿勢で全党討論を進めようではありませんか。

 党大会に向けて、草の根の党組織から全党討論をつくし、全党の英知を結集して党の方針を決定する、こういう活動をおこなっているのは、日本共産党だけであり、わが党の誇るべき民主的伝統であります。文字通りの草の根からの英知で、決議案をより良いものに練りあげようではありませんか。

参院選勝利にむけたとりくみを本格的な前進と発展の軌道にのせる

 大会にむけての第二の仕事は、7カ月後に迫った参議院選挙勝利のためのとりくみを、本格的な前進と発展の軌道に乗せるということです。全党を、文字通りの“参議院選挙勝利モード”にして、選挙勝利の諸活動の実践に本格的に踏み出すことです。

 そのさい、大会決議案を全面的に生かすことを訴えるものです。決議案はまだ「案」の段階ですが、中央委員会の意思として確認されれば、これを方針として、どんどん実践しながら、より豊かなものにしていくという姿勢が、大切であります。

 全国からの感想を読みましても、決議案を読んで参議院選挙勝利の活動にすぐにでもとりくみたい、「居ても立ってもいられない」という声もずいぶんたくさん寄せられているのは、本当にうれしいことであります。参院選にむけて「今度こそ勝とう」という深い思いを全党にみなぎらせるだけの力を決議案は持っている。このことに確信を持って、おおいにこれを生かしてほしいと思います。

 私は、昨日の報告の冒頭に、「決議案全体が参議院選挙をたたかう方針書にもなっている」とのべましたが、決議案の第1章と第2章でのべた「過渡的な情勢」という日本の政治情勢の規定、そのもとでの「日本共産党の三つの任務」という提起は、そのまま参議院選挙での党の押し出しになります。そのまま街頭で語り、屋内の演説会で語り、「集い」で語ることができる中身です。

 また、決議案の第4章・第17項で、「参議院選挙での党躍進の条件、政治的意義について」のべた部分は、全党から大きな歓迎をもって受け止められています。ここでは、来るべき参院選が、新しい政党配置のもとでの初めてのたたかいだということ、新しい政治とは何かについての国民の本格的な探求が広がるもとでのたたかいだということを強調し、そういうもとで、たたかいいかんでは政治的力関係を抜本的に変える大きな条件と可能性があるということ、これをしっかりとつかみ、条件と可能性をくみつくして、前進・躍進をかちとろうということをのべていますが、この部分も、参議院選挙をたたかう大きな力となることは疑いないと思います。

 それから、決議案では、綱領実現をめざし、中期的展望に立った、「成長・発展目標」をもって、奮闘しようという提起をしました。その第一歩として、参議院選挙で勝利をかちとるという位置づけをおこないました。討論では、「成長・発展目標」という提起が、直面する参院選勝利と一体的、立体的にとらえられ、参議院選挙をたたかううえでも大きな力になるということが、深められました。

 「成長・発展目標」について、相対的に進んだ党組織からは、さらに進もうという意欲が語られました。同時に、さきの総選挙の比例代表選挙では、得票率が5%に達しなかった県の多くの県委員長からも、現状打開の積極的な意欲が語られました。発言のなかでは、「遅れたところは宿命ではない」ということがいわれましたが、これはまさに真実だと思います。また、「『保守王国』といわれてきたが、それは矛盾がそれだけ深いということだ」という発言もありましたが、これもその通りです。そのことは、農業分野、林業分野の変化などもふくめて、いま私たちが実感していることです。党のとりくみいかんでは、遅れた県が短期間で先進県に変わった経験というのは、わが党の歴史のなかにはたくさんあるということも、強調しておきたいと思います。

 決議案が提起した、「成長・発展目標」ということを、ほんとうに全党がしっかりととらえて、どの党組織も越えるべきハードルとしては「得票率10%以上」をめざす、進んだところはさらに進んだ目標を持つ、得票率5%以下というところは、早期にこのハードルを越える。この姿勢を確立し、それへの接近・実現をめざすことが、参議院選挙勝利への大きな力になることはまちがいありません。

 さらに、決議案の第4章・第18項の「参議院選挙の目標と方針について」のべた部分のなかで、「支持拡大とともに、対話の広がりを思い切って重視する」、「有権者の過半数と対話することを目標に、広大な規模でとりくむ」ことを提起したことは、たいへん積極的に受け止められています。総会の討論では、これをどうやって現実にとりくむかということも議論されました。これは新しい探求と挑戦の課題です。

 決議案では、「相手の政治への思いと要望を聞く」、同時に、「共産党のここが好きという気持ちを伝える」、これで対話になる。気軽に、楽しく、みんながとりくむ運動にしようということを提起しています。対話のとりくみを、うんと広くとらえることが大切だと思います。ご近所の方と朝、「おはようございます」とあいさつしますね。そのときに、「どうか参院選では共産党をよろしく」と一言いうことも、立派な対話です。そういう対話を第一歩にして、支持を広げていく。党員が後援会員や支持者の協力もえて、ありとあらゆるつながりを生かして、さらに不特定の有権者を対象にして、対話を広げに広げ、有権者の過半数をめざすとりくみに、ぜひ挑戦しようではありませんか。

 参議院選挙にむけたとりくみを本格化するうえでは、すべての選挙区で予定候補者をただちに決定するということが急務であります。現在決定しているのは27都道府県ですが、そのすみやかな決定のためにいま必要なのは、政治決断なのです。機関とその長の決断によって、すみやかに全区での予定候補者の決定をおこない、すべての県が、候補者という面でも選挙活動のスタートが切れるようにしたい。大会では、全候補者をそろって紹介するようにしたいと考えています。

 決議案を生かし、7カ月後に迫った参議院選挙で必ず勝利をかちとるためのとりくみを、全党的に大きく推進する先頭に中央役員のみなさんが立たれることを、心から訴えるものであります。

「党躍進特別期間」を必ず成功させ、党勢の高揚のなかで大会を迎えよう

 大会にむけての第三の仕事は、「党躍進特別期間」を必ず成功させることであります。討論のなかで「大会決議案に“魂”を入れるのは『躍進期間』の成功だ」という決意が、たくさん語られました。まさにその通りです。9中総で提起した四つの課題の全体をすすめつつ、とくに党勢拡大での目標達成を最後まで握って離さず、党大会を党勢の大きな高揚のなかで、迎えようではありませんか。

 そのさい、「躍進期間」の目標達成の期限は、1月末とします。すなわち、大会中、大会後も含めて運動を発展させ、1月末までに必ず目標をやりきり、参議院選挙にむけてさらに前進・飛躍させる、こういうとりくみにしていきたいと思います。

 みなさん。11月の残る期間、12月、1月と、2カ月あまりの活動によって、掲げた目標を必ずやりきり、さらに参議院選挙にむけて大きな上げ潮をつくっていくとりくみの発展をはかろうではありませんか。

 「躍進期間」をすすめるうえでも、大会決議案を全面的に力にしていきたいと思います。決議案で解明した、日本と世界の情勢論、政治論の全体が、「躍進期間」の大きな力になると思いますが、それにくわえて決議案では、党建設そのものの意義についても随所でつっこんだ政治的解明をおこなっています。

 決議案の第2章・第10項では、「過渡的な情勢」のもとで日本共産党が「三つの任務」をやりとげれば、おのずと民主連合政府への条件が開かれるとのべ、日本の民主的変革をすすめる主体は何かといえば、国民的共同と統一戦線である、そこに国民多数を結集することが必要だとのべたうえで、日本共産党の政治的、理論的、組織的発展は、「新しい政治への国民的共同と統一戦線を発展させるための決定的な条件である」と明記しています。日本の政治変革の主体を形成する「決定的な条件」は強大な日本共産党をつくることにある。それは党綱領が規定している根本命題です。

 また、決議案の第4章・第18項では、参議院選挙と党勢拡大との関係を、つぎのようにのべています。

 「党員拡大と『しんぶん赤旗』読者拡大の大きな高揚のなかで選挙をたたかう。この数回の選挙で、私たちは、『実力が足りなかった』ということを、教訓の根本としてひきだした。それを参議院選挙では絶対に繰り返さない。党員拡大の飛躍とともに、読者拡大では前回参院選比3割増に正面から挑戦する」

 これを本気でやりぬく構えを確立してこそ、勝利への道が開かれるということを強調したいと思います。9中総では、総選挙で得票率を前回比で大きく伸ばしている三つの自治体・行政区の経験を紹介しましたけれども、どこでも党勢を維持・前進させてたたかっていました。これが「3割増」となれば、選挙戦での躍進の保障となることはまちがいありません。ぜひこれに正面から挑みたいと思います。

 それから、決議案の第4章・第20項では、綱領実現をめざし、中期的展望にたった「成長・発展目標」をもって奮闘することを提起したわけですが、この目標の実現とのかかわりでも、党勢拡大の位置づけをこう明記しました。「この目標を実現するために、どれだけの党員、『しんぶん赤旗』読者の陣地を築くかの目標を、有権者比でもち、その実現をめざして奮闘する」。「成長・発展目標」という新しい方針では、国政選挙での得票率の目標と一体に、党建設の目標を提起している。この点もぜひ直面する活動に生かしていこうではありませんか。

 さらに、決議案の第4章・第21項でも、党建設の決定的な意義をのべています。

 「総選挙がつくりだした『過渡的な情勢』をさらに前向きに前進させ、日本の政治が『二つの異常』から抜け出す力を国民の間につくりあげていくうえで、日本共産党が、国民と広く結びつき、理論的にも組織的にも強大な党に成長することは、決定的な条件となる。私たちは、2010年代を、党建設の面でも、歴史的前進を党史に刻む時代とするために、全力をつくすものである」

 このことを決議案に明記したわけであります。

 大会決議案は、日本と世界の情勢分析と党の役割の提起を含め、その全体が強大な党をつくるうえでの根本方針を示していますが、それにくわえて決議案の随所に、いま私たちが党建設に執念を燃やしてとりくむことの意義が、書き込まれていることもぜひ重視して活用していただきたいと思います。

 これらの提起を全面的に生かし、「躍進期間」を必ず成功させ、とりわけ党勢拡大の高揚の中で新しい年を迎え、第25回党大会を迎えるために、中央役員のみなさんが全党の先頭に立って奮闘することを訴え、私たちもみなさんと一緒にがんばりぬく決意を申し上げて、結語といたします。


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