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2009年11月26日(木)「しんぶん赤旗」

パチンコ店ATM野放し

設置場所基準なし

個別銀行の「判断」任せ

全銀協


 パチンコ店内銀行ATM(現金自動預払機)問題で、全国銀行協会のATMオンライン全国サービスには設置場所についての基準はなく、パチンコ店内へのATM設置も、個別銀行の「経営判断」まかせで行われていることが25日、本紙の調べでわかりました。


 パチンコホールにATM設置をすすめている「トラストネットワークス」社(東京・中央区、竹内理社長)は、銀行との契約を通じて全銀協の「全国キャッシュサービス」(MICS=ミックス)に接続し、日本中のほぼすべての銀行・金融機関のキャッシュカードを持つ客がホール内で現金を引き出せる仕組みをつくりあげていました。

 全銀協広報は本紙に、「MICSの運営規約や事務取扱規則(いずれも非公開)には、ATM設置場所についての基準、ガイドラインなどはない」、「設置場所は、トラスト社と契約しネットワークを接続している銀行の個別の経営判断であり、全銀協として指導する立場にはない」と答えています。

 トラスト社の竹内社長は、パチンコ店内ATM設置事業の構想を初めて明らかにした2007年10月の記者会見で「ATMは銀行の店舗。ATMに入った現金の管理責任はすべて銀行と当社が負う」と発言しています。

 トラスト社と結び、銀行の「店舗」としてパチンコ店内にATMを「出店」した銀行の経営判断が、この事業を可能にしたのです。

 パチンコ店内ATMをめぐっては、負けて現金を使い果たした客が、頭を冷やすいとまもなくホール内で現金を引き出し、過大な資金を使ってしまう「のめりこみ」被害を呼ぶと批判が高まっています。こうした事業にATMネットワークを接続している銀行業界の社会的責任も問われています。


 全国銀行協会 「銀行業の健全な発展」を目的に、国内民間銀行のほとんどが加盟する団体(会長・永易克典三菱東京UFJ銀行頭取)。銀行が参加する決済システム等の企画・運営を行っており、ATMオンライン提携ネットワーク「全国キャッシュサービス」(MICS)は、社団法人「東京銀行協会」が運営受託しています。


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