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2009年11月26日(木)「しんぶん赤旗」

環境・雇用守る林業豊かに

全国森林組合大会 志位委員長あいさつ


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(写真)第26回全国森林組合大会であいさつし、林正博会長と握手する志位和夫委員長(右)=25日、東京都千代田区

 全国森林組合連合会(全森連)は25日、東京・九段会館において第26回全国森林組合大会を開きました。大会には約1000人の森林組合長や職員、組合員が参加。日本の林業、山村は崩壊の危機にあるとして「『環境と暮らしを支える森林・林業・山村再生事業』に一致団結して取り組むとともに、160万組合員の現地の声を国政に反映させるとりくみを一層強化する」との決議を採択しました。この大会には、史上初めて日本共産党の代表として志位和夫委員長が出席し来賓あいさつしました。

 全森連の林正博会長は、森林再生と持続可能な状態をつくる森林組合の大きな役割を強調、「本格的な国産材時代を迎え、新たなスタートをしよう」と呼びかけました。「地球温暖化防止へ貢献するとともに、水源の保全、国土の安全、健全な森林環境と良質の木材を国民へ提供しながら、健康で安心、豊かな住生活を支えていく」とする森林組合綱領を決議しました。

 従来の森林組合大会は、自民党中心に来賓あいさつをしましたが、10月のJA大会につづいて様変わりしました。7政党すべてが招かれ、党首の出席は日本共産党とみんなの党だけでした。

 志位委員長はあいさつの中で、林業が地場産業であり、低炭素社会にむけた大きな可能性をもった産業だと指摘。森林面積が日本の4割のドイツの林業は、自動車産業の雇用を上回る130万人の雇用を生み出していることを紹介し、「みなさんと知恵と力をあわせて、林業がもつ、こうしたすばらしい潜在力をひきだすことこそ政治の責任だ」とのべました。

 鳩山政権の「事業仕分け」では、森林整備予算が削減・廃止の対象となっています。

 志位氏が森林整備の担い手づくり、作業道をはじめとした林業基盤の計画的な整備にふれ「思い切って予算をふりむけることを強く求めていく」と訴えると会場から大きな拍手がわきおこりました。


あいさつ(全文)

 みなさん、こんにちは(「こんにちは」の声)。ご紹介いただきました日本共産党の志位和夫でございます。

 第26回全国森林組合大会のご盛会おめでとうございます。

国土の7割をしめる森林のかけがえない役割

 「全国に広がる森林(もり)を守り育て、豊かな森林を未来に引き継ぐ」ために全国で頑張っておられる160万組合員のみなさんに、日本共産党を代表して心からの敬意を申し上げます。

 日本の国土面積の7割をしめる森林は、かけがえのない役割を持っています。

 世界的な木材需要の高まりと資源の減少のなかで、いつでも、どれだけでも外国から木材を輸入するという、輸入頼みは通用しない時代を迎えています。

 森林を守り育てることは、日本の国土を守ることにとどまらず、地球環境保全という人類的な課題への大きな貢献でもあります。

林業は産業として素晴らしい潜在力を持っている

 私は、林業が産業として素晴らしい潜在力を持っていることを、政治がよく認識し、本腰を入れた振興をはかることが大切だと考えています。

 林業は、なによりも地域に根ざした地場産業です。製材から、住宅・家具などの木材利用まで広いすそ野を持った産業です。バイオマス燃料をはじめ低炭素社会に向けた大きな可能性をもった産業です。

 まさに、地域経済と地域社会を支える大きな柱となりうる産業です。

 現にドイツは、森林面積が日本の4割にすぎないにもかかわらず、木材自給率は100%を超え、林業が130万人の雇用を生み出しています。これは、自動車産業の75万人をしのぐものです。2倍に近い雇用を生みだしている。ドイツにはいわゆる「限界集落」は存在しないといわれています。

 私は、みなさんと知恵と力を合わせて、林業がもつ、こうした素晴らしい潜在力を引き出すことこそ、政治の仕事であり責任であると考えるものです。

国の政策の根幹にしっかり位置づけ、思い切って予算をふりむける 

 この立場から私たち日本共産党は、林業を地域経済を支える大きな柱の産業、低炭素社会を実現する不可欠な産業として、国の政策の根幹にしっかり位置づけることが、何よりも必要だと考えます。

 具体的には、これまでの外材輸入拡大政策から、国産材需要拡大政策への転換が必要です。さらに森林を守り、育てる担い手づくりと、作業道をはじめとした林業基盤の計画的な整備に、思い切って予算を振り向けることを強く求めていくものです。(大きな拍手)

 みなさんの大会が、大会スローガンである「森林・林業と山村の再生に向けて」大きな成功をおさめることを祈念して、あいさつといたします。(拍手)



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