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2009年11月20日(金)「しんぶん赤旗」

権利条約20年 ユニセフが特別白書

子ども10億人「物質的欠乏」


 「子どもの権利条約」が1989年11月20日に国連総会で採択されてから20周年を記念して国連児童基金(ユニセフ)は19日、『世界子供白書特別版』を発表しました。この間、子どもを取り巻く環境が多くの面で改善されたと評価するとともに、今後の20年間に果たすべき課題はなお山積していると強調しました。

 白書は、同条約下で「子どもの生存と発達の面、子どもの保護のための努力の面で著しい前進が見られ、子どもたち自身が自らの発達と保護に参加できるようにすることの大切さが認識されるようになった」と指摘。「最も目覚ましい成果」として、5歳未満児の年間死亡数が90年の1250万人から2008年の900万人にまで減少したことを挙げています。

 白書は、子どもを取り巻く環境の改善として、このほか▽5歳未満の低体重児の割合の低下▽生後6カ月未満の乳児の完全母乳育児の割合の向上▽90年から06年までに安全な水源を利用できる人々が16億人増加▽母子感染予防などエイズ対策の強化▽小学校就学率の84%への改善―などを挙げました。

 一方で白書は、▽10億人の子どもが保健サービス、安全な水源や衛生施設を利用できないなどの何らかの物質的欠乏を抱えている▽毎日2万4000人の子どもが予防可能な病気で死んでいる▽毎年5億〜15億人の子どもが暴力に苦しんでいる▽5〜14歳の子ども約1億5000万人が児童労働に従事している―などの現状を指摘しています。

 白書は、「世界的な景気低迷と食料価格の歴史的な高騰と相まって貧困と栄養不足の増大に対する懸念が深まっている」と指摘。今後20年間の課題として、「いまだに生存、発達、保護、参加の権利を保障されていない子どもたちに権利を与えること」を強調しています。



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