2009年11月18日(水)「しんぶん赤旗」
保育所
国は最低基準守れ
山下議員追及 “今以上の詰め込みに”
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日本共産党の山下芳生議員は17日の参院総務委員会で、新政権が進めようとしている保育所の最低基準引き下げ問題を取り上げ、基準をゆるめたり、引き下げることは絶対にあってはならないと原口一博総務相に強く要求しました。
山下氏は、国が決める保育施設の面積などの「最低基準」は、「全国どの地域でも、子どもたちが健やかに発達・成長できる環境を保障するために必要な最低基準だ」とただしました。
原口総務相は、最低基準の見直しは「地域主権」に基づいて、「国と地方自治体の役割分担を見直すもの。(地域が基準を)上書きをする権利」だと説明しました。
これに対し、山下氏は、現在の児童福祉法でも「地域の自主性は保障されている」と指摘し、「地域主権にしなければよりよいものができないというのは、おかしい」と批判しました。
山下氏は、面積基準(子ども1人あたりに必要な部屋の広さ)が緩和されれば「真っ先に起こるのは、保育所の新設ではなく、既存の保育所に今以上に子どもを詰め込むことだ」と指摘。自公政権下で待機児童対策として実施された「定員の弾力化」で、大阪府では、1万人近い子どもが定員を超えて「詰め込まれている」と資料を示し、「長妻厚生労働相にも、(基準引き下げを)やめよというべきではないか」と追及しました。
原口総務相は、「(地方の)財政が苦しくなっているなか、(詰め込みが)起こる可能性がある」と認めつつ、「(地域が)ルールを自分で決めた方が守る」などと強弁しました。
山下氏は、「下がることも地域が責任をもって決めればいい、と聞こえる」と国の責任放棄を批判しました。