2009年11月17日(火)「しんぶん赤旗」
事業仕分け
延長保育事業見直し
年金特別会計で賄う方向に
政府の行政刷新会議が2010年度予算の概算要求の無駄を洗い出すとして進めている「事業仕分け」作業4日目の16日、延長保育事業が対象となりました。事業の存続は確認されましたが、財源を一般会計ではなく年金特別会計(児童手当勘定)で賄う方向で見直すとの結論が出されました。
現在、延長保育事業は、一般会計を財源にした「次世代育成支援対策交付金(ソフト交付金)」で、国が市町村に半額を補助する形で行われています。一方、休日・夜間保育や一時保育などは、児童手当制度における事業主拠出金からなる児童手当勘定を財源に、事業主・都道府県・市町村が3分の1ずつ負担する「児童育成事業費」で実施されています。
「仕分け」の議論で財務省側は「日本は諸外国に比べて家族政策に対する事業主負担の割合が低い」と指摘し、延長保育も児童手当勘定を財源に行うよう主張しました。これに対し厚労省は「民主党が目指す子ども手当の創設は児童手当勘定の廃止が前提だ。そこに計上することにはちゅうちょがある」と反論しました。
「仕分け人」からは「児童手当勘定には今年度末時点で888億円の積立金がある。それを取り崩せば当面はもつのではないか」との指摘があり、12人中8人が「特別会計に移すべきだ」と判定しました。
審議を聞いていた人からは「場当たり的な議論だ」「子ども手当の財源確保のためにほかの子育て支援にしわ寄せがいくという矛盾が出ている」などの批判の声が出ました。