2009年11月14日(土)「しんぶん赤旗」
日米首脳会談
同盟強化へ政府間協議
「核」「温室ガス」共同文書も 「普天間」先送り
米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)の「移設」問題をめぐって日米間の矛盾が強まる中、鳩山由紀夫首相は初来日したオバマ米大統領と13日夜、首相官邸で約90分間にわたって日米首脳会談を行いました。焦点の普天間基地問題は「ハイレベルの作業部会を設置して、できるだけ早い時期に解決する」こととし、結論は先送りしました。両者の会談は9月の国連総会以来2度目です。
首脳会談では「核兵器のない世界」や地球温暖化防止交渉、クリーンエネルギー技術協力に関する共同文書に署名。鳩山首相は「日米同盟が日本外交のすべての礎」であるとのべ、来年の日米安保条約50年を念頭に日米同盟に関する新しい政府間協議のプロセスを進めることで一致しました。
アフガニスタンの民生支援では、鳩山首相が今年から5年で約50億ドルの支援を行う考えを表明しました。海上自衛隊のインド洋での給油活動については、「先月は給油が1隻・1回にとどまっている。後方支援として、どのくらいの意味があるのか」とのべ、延長しないとの考えをあらためて示しました。
普天間「移設」問題については、鳩山首相は、「県外、国外移設」の公約に言及し、沖縄県民の期待が高まっているとのべましたが、同時に「前政権の日米合意も重く受け止める」と表明。オバマ大統領も「作業を迅速に終わらせたい」とのべました。
この問題では、10月に来日したゲーツ米国防長官が「普天間基地の返還なしに沖縄の土地返還もない」などと強圧的な姿勢で沖縄・辺野古への新基地建設を要求。オバマ氏来日までの決着を求めていましたが、日本の世論の反発を招き方針の修正を余儀なくされました。
オバマ大統領は日本への原爆投下の正当性について問われましたが、回答は避けました。また、広島・長崎への訪問については「将来訪れることができたら名誉なことだ」とした上で、「短期的に訪問はない」とのべました。
オバマ大統領は14日午前、都内で米国のアジア政策に関する演説を行った後、シンガポールで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議に出席(14〜15日)。その後、中国(15〜18日)と韓国(18〜19日)を歴訪します。