2009年11月12日(木)「しんぶん赤旗」
業者女性の実態調査
「家業で生活できず」6割
4割が所得200万円未満
「家業の営業収入だけで生活できない人は6割を超え、所得が200万円未満の人が4割。貯金の取り崩しや家族のほかの収入、年金などをあてて生活している」―全商連(全国商工団体連合会)婦人部協議会が行った「2009年全国業者婦人の実態調査」で、厳しい生活実態が分かりました。
調査は3年ごとに実施し、今回は2009年の4〜6月までの間。20〜70代の家族従事者・共同経営者、事業主の女性8825人が回答しました。業種は、建設関連、理美容・エステ・修理・メンテナンスなどのサービス、卸・小売、料理飲食などです。
売り上げ3割減
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08年の売り上げは、「07年と比べて3割減」が37・9%とトップで、「横ばい」29・5%、「半数以下」22%。「伸びた」人はわずか9%でした。原因は、仕入れや経費の上昇、工賃単価の切り下げ、仕事量が3割減、半減など。月の仕事が10日未満が16・2%いました。
08年の所得は、100万円未満が最も多く22・9%。100万〜200万円未満21・3%の順番。所得200万円以下の人が44・2%と、前回調査時(06年)と比べて12ポイント増えています。
08年に利益が出た人はわずか10・5%、「赤字」だった人は半数を超えました(51・2%)。「家業の営業収入だけで生活できない」人は61・5%と、「生活できる」人35・7%を大きく上回っています。貯金を取り崩す、年金や家族の他の収入をあてる、借金、生命保険の解約などで、収入を補っています。パートやアルバイトに出ている人が2割(複数回答)いました。
消費税廃止望む
業者婦人は厳しい営業のなか、取引先・新規顧客の開拓や仕入れ価格引き下げ、特徴ある店づくりなどの努力をし、商売を守り続けています。一方、健康問題や、消費税、資金繰り、価格破壊・超低価格商品の氾濫(はんらん)などが重い負担として、のしかかっています。
消費税を売り上げに転嫁できている人は44・6%。消費税廃止を望む人は7割にのぼりました。
業者婦人は、営業と家業・介護・育児の担い手として、みずからの健康状態をかえりみず働いています。体の具合が「悪い・ときどき悪い」人が3人に2人の割合。具合が悪いのに、「時間がない」、「治療費が高い」などの理由で病院に行けなかった体験がある人が4割にのぼりました。
公的負担が生活脅かす
牧野由子婦人部協議会事務局長の話 業者婦人の中に貧困が広がっています。
家計を圧迫しているものが「税金」「国保・年金」「借金返済」の順となり、高すぎる公的負担が生活を脅かしています。消費税は弱者に大きな負担を強いています。実態調査では、消費税の廃止または減税を約8割が願っています。
生活費確保の問題では、約6割が「給料をとっていない」と答えています。根底に「所得税法56条」があります。家族従業者の働き分を認めない人権の問題で、営業を発展させる意欲にも大きな影響を与えています。また、営業の苦しさが、健康破壊につながっています。公的負担と消費税、所得税法56条で業者婦人は苦しめられています。この調査を運動にいかしていきます。