2009年11月8日(日)「しんぶん赤旗」
地位協定抜本見直しを
沖縄・金武町で基地シンポ
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沖縄県金武町と「沖縄の『基地と行政』を考える大学人の会」は共催で7日、日米地位協定の見直しをアピールするため、「金武町の米軍基地問題と日米同盟」と題したシンポジウムを同町中央公民館で開き、約300人が集まりました。
同町は面積の約60%をキャンプ・ハンセンなど米軍基地に占められ、実弾射撃訓練が原因の山火事や流弾事件、騒音、米兵犯罪に住民の生活は日々脅かされています。昨年12月に同町伊芸区で民家の乗用車に米軍のものと思われる銃弾がめり込む流弾事件が起きました。
儀武剛金武町長は、住民の生活を脅かす実弾射撃訓練場の撤去などを米軍側に何度も要請しても応えず、日米地位協定で米軍基地内の施設運営について日本側は関与できないことになっていることを批判し、「日米地位協定の改定、抜本的見直しを強く訴えなければならない」と訴えました。
池原政文・伊芸区長は米軍が昨年12月の流弾事件も認めず、訓練を強行していることに対し、「住民は怒り心頭だ」と現場の状況を報告しました。
本間浩法政大学名誉教授は、日米地位協定改定の求めに対し、これまでの日米両政府は「運用の改善」で対応してきたことに、「『運用の改善』とは米軍の軍事的必要によって日本側の主張を認めない可能性が常に伴う」と指摘。「住民が自らの権利を権利として主張できる原則にするには地位協定の法文改正が必要で、基地使用の制約原則を具体化すべきだ」としました。