2009年11月5日(木)「しんぶん赤旗」
日航賃金差別は不当
都労委が救済命令
日本航空の客室乗務員でつくる日本航空キャビンクルーユニオン(CCU)の組合員165人が賃金・昇格差別を受けたとして救済を申し立てていた事件で、東京都労働委員会は4日、不当労働行為と認定し、同社に対して差別是正と陳謝文の交付などを命じました。
同労組に対する不当労働行為の救済命令は、管理職らによる組合からの脱退勧奨などが行われていたとして都労委と中央労働委員会が認定した事件に続いて2回目。
同社では日本エアシステム(JAS)と合併した2006年、JAS客室乗務員を日本航空の賃金体系2職級(低位)と3職級(高位)に振り分けました。
ところが、3職級に格付けされたのは、別労組のJAL労働組合(JALFIO)では90%にのぼるのに対し、CCU組合員はわずか27%。その結果、基礎賃金分だけで年間40万円もの格差が発生。責任者の資格を持ちながら賃金は低位で昇給もないなどさまざまな矛盾も生じています。
今回の命令でも、管理職が「一社化後は昇格差別も出てくる」などといって脱退勧奨を行っていたことを改めて認定。「格付において所属組合に基づく差別が行われていたことを強く推測させる」として、少なくとも40人を新たに3職級に格付けするよう命じました。
都内で記者会見した同労組の内田妙子委員長は、「賃金・昇格差別は組合弱体化をねらったもので、安全輸送に欠かせない客室乗務員の一体感やチームワークを壊すものです。会社を再建することと違法体質から脱却することは不可分であり、会社が命令を厳しく受け止め、直ちに差別是正を行うよう求めていきたい」とのべました。
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