2009年11月5日(木)「しんぶん赤旗」
審査と監視切り分け
21世紀臨調が「国会改革」提言
「新しい日本をつくる国民会議」(21世紀臨調)の共同代表で、「政治改革」を検討する小委員会の座長を務める佐々木毅・元東京大学総長らが4日、都内で記者会見し、「国会審議活性化等に関する緊急提言」を発表しました。
佐々木氏は同提言について、民主党の小沢一郎幹事長が10月16日に同会議に提示した諮問事項への「答申」ではなく、同小委員会の独自の提言だと強調しました。
一方で提言は、「官僚依存」からの脱却をうたうとともに、委員会の総定数を「議員総数をやや上回る程度」に削減することには「一定の合理性がある」とするなど、官僚答弁禁止や定数削減を狙う民主党の意向を受け止めた内容となっています。
また、省庁別政策分野に対応する常任委員会を、官僚を交えない政治家同士の討論を原則とする「議案審査会」と、政府参考人を招致する「国政調査・行政監視会」とに分けるなど、本会議・委員会ともに有する国政調査権を「会」の一部機能に押し込めようとしています。また、悪法を審議未了・廃案に追い込む上で欠かせない国会の会期制を敵視し、通常国会の会期を300日以上に改めて「通年国会」とし、会期中に審議未了の法案も次の会期に「自動継続」する制度の導入を求めています。
佐々木氏らは記者会見後に小沢氏と会談し、同提言を直接提示しました。小沢氏は会談後、記者団に「提言を参考にさせてもらい、与野党が合意できるもの、まとまるものを順次実行していきたい」と述べ、来週にも党内の議論をまとめる考えを示しました。
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