2009年11月2日(月)「しんぶん赤旗」
乾燥シイタケ・乾燥ネギ・ウーロン茶…
放射線照射の食品輸入
食品衛生法で禁じられている放射線を照射した輸入食品が今年に入り9件発見されていることが1日、厚生労働省の調べで分かりました。
同省の発表によると、今年1月から10月までに放射線照射が検知された9件の食品は、乾燥シイタケやウーロン茶の茶葉、シナモン(香辛料)、乾燥ネギなど。輸入元は、中国、アメリカです。
日本は、食品衛生法に基づき、バレイショへの発芽防止目的の放射線照射を除き、国内の食品や輸入食品への製造・加工・保存目的の照射を「安全性が確認されていない」として禁止しています。
内閣府原子力委員会によると、食品への放射線照射は、諸外国では野菜や穀物、スパイス、肉類、魚類などの食品を対象に、発芽防止や殺虫、殺菌などを目的にして許可・実用化されています。(2006年9月、食品照射専門部会の報告)
日本の検疫所での放射線照射の輸入食品の検査は、07年7月に検知法が開発され実用化されました。その検知法は、食品に付着した土などに含まれる鉱物の照射反応の痕跡を調べるものです。
しかし、この検知法で検査している食品は現在、6種類だけ。検査率も対象の「茶(茶の代用品を含む)」の場合、0・4%程度といいます。
検知法実用化以前は、輸入時の書類チェックで外国での生産工程を調べて発見するしかありませんでした。
コメや肉類など、鉱物が付着しない食品では検知法がなく、書類に記載がないものは事実上、フリーパスの状態です。