2009年11月2日(月)「しんぶん赤旗」
民主「質問放棄」 党内からも異論
衆院の代表質問を行わず、予算委員会の質疑も見送るとしていた民主党が一転、2日から始まる予算委員会での質問に立つことになりました。
「政府・与党一体だ」(小沢一郎幹事長)との「理屈」で押し通してきた“質問放棄”の態度が、国会の内外で批判を受け、同党内でも矛盾を抱え込んだためです。
「代表質問に続き、予算委員会での自らの質問を放棄するのは、政党としての自殺行為だ」。民主党の若手議員の一人は党内の空気をこう表現します。
民主党は臨時国会の会期を30日までの36日間と短く設定。予算委員会の日程も当初は「1日で十分」と強硬に主張し、質問も行わないとしていました。
前述の若手議員は「党首討論もやらない方向のようだが、(その理由は)『鳩山隠し』だ」と声を潜めます。自らの資金管理団体の偽装献金疑惑を抱える鳩山由紀夫首相が、国会で質問にさらされるのを恐れての、党略的な運営になるという指摘です。
国対メンバーの中からも、「そもそも首相の所信表明演説を10月25日の参院補選投開票の後まで引き延ばしてきたのも、鳩山さんの献金問題が選挙に影響するのを避けるためだった。そのうえ、予算委員会を1日しかやらないというのは、非常に無理がある」という声が漏れます。
別の民主党議員は、「これまで(野党のとき)さんざん批判してきた『数の横暴』を、自分でやっている。自民党政治への批判が、自分に向かってくる」と語ります。
民主党の国対関係者は、「それでも国対の会議で、公然とした疑問の声は出ない。支持率が高い現状もあり、党の執行部に反対するのは勇気がいる」と述べています。