2009年11月1日(日)「しんぶん赤旗」
組合員全員が直接雇用
光洋シーリングの請負労働者
告発5年、44人勝ち取る
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請負労働者が偽装請負を告発し、正社員化を求めているトヨタ自動車系列の光洋シーリングテクノ(徳島県藍住町)で、JMIU(全日本金属情報機器労組)の組合員13人が来年1月から直接雇用されることになりました。これにより、組合員の44人全員が直接雇用されることになります。告発から5年。非正規労働者が労働組合に入ってたたかい、自らの手でつかんだ成果です。
同社は10月27日の団体交渉で、来年1月1日付で直接雇用の契約社員にすると回答。組合は29日に妥結を確認しました。
組合によると、今回直接雇用される組合員は勤続5年前後。2006年に続く07年10月の偽装請負の申告者で、徳島労働局も同年12月、是正指導していました。組合員以外にも、当時から働いている5人が直接雇用される見通しです。
同社は昨年の春闘で「請負労働者の直接雇用」を約束。しかし、仕事がなくなり、派遣社員ら200人が雇い止めされ、解雇の恐れさえ浮上。月収は約14万円に落ち込み、組合員の2人が生活保護を受けるなか、「請負労働者を約束通り、直接雇用せよ」「首切りは絶対許さない」と訴え、約1年間、就労中も「団結」と書いたハチマキをしめてたたかい続けてきました。
JMIU光洋シーリングテクノ関連支部は04年、約20人で結成。06年9月以降、請負労働者を直接雇用の契約社員にさせ、07年12月からはさらに正社員化を実現。現在、22人が正社員となっています。
同支部の矢部浩史代表(44)は、「JMIUの運動と全国のみなさんの支援の結果です」と強調。「直接雇用の約束が果たされず、職場を去った組合員もいただけに、不退転の気持ちでたたかってきました。偽装請負を告発し、正社員化を求めてきたたたかいにとって大きな前進です。しかし、職場には正規と非正規の格差も残っているなど、たたかいはこれからです。均等待遇の実現と正社員化を求めてたたかい続けたい」と話します。
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