文字の大きさ : [] [] []

2009年10月30日(金)「しんぶん赤旗」

水俣病

救済対象外地域も被害

不知火海沿岸 住民大検診の結果発表


 熊本・鹿児島両県にまたがる不知火海(八代海)沿岸の地域住民大検診の結果を「不知火海沿岸住民健康調査実行委員会」(原田正純実行委員長・熊本学園大学教授)が29日、集計し発表しました。水俣病被害者救済で対象外とされている地域や若い世代でも被害があることが明らかになりました。

 集計結果によると、大検診を受診した人のうち93%を水俣病と診断。多くの魚介類を摂取しており、感覚障害や視野狭窄(きょうさく)など何らかの症状が認められました。

 受診した人で公害指定地域や保健手帳交付対象地域以外の人は213人。うち199人を水俣病と診断しました。

 国が「水俣病の発生はない」としている1969年以降に生まれた人や、八代海沿岸に転入してきた人は59人。うち51人に水俣病の症状が見られました。

 不知火海沿岸17カ所で実施した大検診では、1044人が受診。今回はそのうちデータ集計を受諾した974人についてまとめました。

 記者会見で原田医師は「この結果はこれまでもいわれてきたことで、驚くべきことではない。この50年間、行政が本気でやればきちんとしたものができたはず。行政には、ともかく実態を知ってほしい」と語りました。水俣病特措法については「決まったのはチッソの救済だけ。取り消すべきだ」と指摘しました。

 水俣協立病院の高岡滋総院長は「八代海一円に広がっていることが再確認された。全面的に調査して対策をとることが必要だ」としました。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp