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2009年10月29日(木)「しんぶん赤旗」

「普天間」問題 民主迷走

危ぐの声 やまず

「交渉にならない」「ほかの公約どうなる」


 北沢俊美防衛相が27日、米軍・普天間基地の辺野古(沖縄県名護市)「移設」案について「公約を全く満たしていないと認識するのは間違いだ」と「容認」姿勢を示したのに対し、同日、鳩山由紀夫首相は「そうは思っていない」と否定しました。岡田克也外相は、嘉手納基地(同県嘉手納町など)への統合案を引き続き検討する旨を再発言し、政権内の不一致、迷走が際立っています。

 岡田外相は米側と交渉するため、11月初めに再度訪米する予定です。こうした状況に「沖縄問題では、『県外移設』以外の方向を党内で議論したことはない。一体誰が責任を持つんだ」(同党若手議員)との声もあがっています。

 また同党中堅議員は、「政権がふらついている印象だ。岡田さんがアメリカにもう一度行くというが、防衛大臣が『現行案でいいですよ』と早々と言ってしまっては、交渉にならない。アメリカの手のひらの上だ。民主党は選挙での自分の(県外移設)提案に、答えを持っていない。まだ野党のままだ」と述べます。

 別の同党沖縄選出議員は、「アメリカでも、日本でも政権交代が起こった。ブッシュと小泉で進めてきた路線がそのままなら、『政権交代って何だ』ということになる。辺野古案で決着なら、政権の危機を招き、日米同盟にとっても深刻な政治状況になる」とのべます。

 一方、岡田外相が主張する嘉手納統合案はどうか。

 同党の沖縄県連幹部は、「嘉手納統合案は、現地にとっては爆音被害をはじめ、問題はむしろ拡大する。訓練を縮小するなど『約束』されても、アメリカはそのたびに裏切り、自公政権は見捨ててきた。信用できない。本当にやるというなら、まず岡田さんが県民の前で堂々と説明してみせることだ」と強調しました。

 新人議員の一人は、「現行案も嘉手納統合案も現実的だとは思うが、選挙公約とは違う。閣僚が勝手なことをいい出したら“マニフェストはどうなるんだ”となる。八ツ場ダム問題、子ども手当、高速道路無料化など、ほかの公約もどうなるんだとなってくる」と、不安を示します。

 同党関係者の間からは、「あまりにもアメリカの圧力に弱腰だ。このまま押し切られるようなら、沖縄の議員は離党するのではないか。社民党も黙っていられないだろう」という危ぐの声も出ています。(中祖寅一)



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