2009年10月28日(水)「しんぶん赤旗」
防衛相が新基地容認
外相は嘉手納統合案
普天間移設先「県内」で迷走
米海兵隊の普天間基地(沖縄県宜野湾市)の「移設」先をめぐり、鳩山内閣の担当閣僚の発言が迷走状態になっています。
北沢俊美防衛相は27日の記者会見で、同県キャンプ・シュワブ沿岸部(名護市)での新基地建設について、「国外、県外という、われわれの選挙公約を全くみたしていないと認識するのは間違いだ」と述べ、事実上、基地建設を容認する考えを表明しました。「日米の合意案は、まずグアムへ(在沖米海兵隊が)出て、そして岩国基地に(空中給油機部隊が)出るということで、県外、国外移設が第一にある。その後の処理として、辺野古沖が残る」などと発言。普天間基地の「移設」先を「県外、国外」としていた民主党の公約を反故(ほご)にして、在日米軍再編合意全体に本来「国外、県外」の要素が含まれるとすりかえる議論を展開しました。
これに対し、岡田克也外相は同日の記者会見で、「移設」先について米空軍嘉手納基地(同県嘉手納町など)への統合について「私は案になると思う」と再度発言。米側が拒否しているとの指摘には「納得していない。受忍できない話なのかきちんと詰めたい」と述べました。
担当閣僚の発言について、平野博文官房長官は「もう少し慎んで、注意して発言してほしい」と注文。鳩山由紀夫首相は同日夕、首相官邸で記者団に「わたしは必ずしもそのようには思っていない」「さまざまな選択肢を検討しながらそれなりに時間をかけて結論を出したい」と、従来の立場を繰り返しました。