2009年10月27日(火)「しんぶん赤旗」
首相「透明性確保」いいながら
自身の疑惑に説明なし
政治とカネ
鳩山由紀夫首相は26日、国会での所信表明演説で、政治とカネの問題について「政治家一人ひとりが襟を正し、透明性を確保する」べきだと述べました。しかし、自身の疑惑については、「捜査には全面的に協力してまいる」というだけでした。
首相は、資金管理団体「友愛政経懇話会」に氏名を記載した個人献金のうち、実際には献金していない虚偽記載が4年間で2177万8000円に上ることを明らかにしています。
さらに、04〜08年にかけての氏名記載が必要ない小口献金も大半が鳩山家の資産で、虚偽記載の疑いがあると指摘されています。
政治資金規正法で政治資金の収支公開を義務づけているのは、政治活動の公明・公正性を確保するためです。規正法は、収支報告書に虚偽の記載をした場合、禁固5年以下、または罰金100万円以下を科すと定めています。記載ミスではすまない重大な問題です。
にもかかわらず、演説では一言の説明もなし。これでどうやって「政治への国民の信頼を取り戻す」(演説)というのでしょうか。
ちなみに、民主党が総選挙マニフェスト(政権公約)で掲げた企業・団体献金の3年後の禁止にも一言もふれませんでした。
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