2009年10月27日(火)「しんぶん赤旗」
新政権初の臨時国会始まる
鳩山首相が所信表明
第173臨時国会が26日召集され、国民が自公政権に退場の審判を下し、民主党中心の政権がつくられたもとでの最初の論戦の舞台となる国会が始まりました。国民注視の臨時国会会期は11月30日までの36日間です。この日は、鳩山由紀夫首相が所信表明演説を行いました。日本共産党は国会議員団総会を開き、志位和夫委員長があいさつしました。
鳩山由紀夫首相は衆参本会議の所信表明演説で、「『今こそ日本の歴史を変える』との意気込みで、国政の変革に取り組む」と決意を表明。「友愛政治」をめざすとして、「戦後行政の大掃除」「命と生活を守る政治」「『架け橋』としての日本」を柱に政治姿勢を明らかにしました。
しかし、後期高齢者医療制度の廃止、労働者派遣法の改正、沖縄新基地問題など「国政の変革」の要となる問題では、言及を避けたり、先送りを表明するなど、具体策は示しませんでした。
政治とカネをめぐる問題では、自身の献金虚偽記載問題について「今後、政治への信頼を取り戻せるよう、捜査に全面的に協力する」と述べるにとどめ、企業・団体献金の禁止にも踏み込みませんでした。
一方、暮らしの問題では、子ども手当の創設、高校の実質無償化、奨学金の大幅拡充、生活保護の母子加算の復活、障害者自立支援法の廃止などを主張。経済分野でも「経済合理性や経済成長率に偏った評価軸で経済をとらえるのをやめよう」と述べました。しかし、労働者派遣法の改正には一言も触れず、後期高齢者医療制度の廃止も「新たな制度の検討を進める」と、先送りの姿勢を示しました。
外交面では、「世界の『架け橋』として国際社会から信頼される国になる」と述べ、温室効果ガスの削減や「核のない世界」に向けた「不退転の決意」を表明しました。しかし、外交の基盤は「緊密かつ対等な日米同盟」だとし、焦点の沖縄新基地問題は「地元の思いをしっかり受け止めながら、真剣に取り組む」と述べるにとどまりました。