2009年10月21日(水)「しんぶん赤旗」
鳩山首相「偽装」献金問題
04年も虚偽記載の疑い
求められる説明責任
鳩山由紀夫首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」(友政懇)の「偽装」献金疑惑で、東京地検特捜部が「献金」の名義人から事情聴取するなど、捜査が本格化しています。
鳩山首相は6月30日、友政懇の政治資金収支報告書に名前を記載した個人献金のうち、故人や実際に献金していない人など虚偽の記載は2005年〜08年の4年間で計約90人分(のべ193件)、総額2177万8000円にのぼると公表しました。
08年分の政治資金収支報告書は9月末に公表されました。これによると、友政懇は、個人寄付者69人のうち、55人分(計406万6000円)について、実際に献金はなかったとして二重線で削除しています。
この削除された55人について調べてみると、3割にあたる16人は04年の友政懇の政治資金収支報告書にも、10万〜50万円、献金したとして記載されていました。さらに、この16人のうち、11人は05年〜07年分でも、毎年、虚偽献金だったとして削除されています。
04年にも虚偽献金があった可能性があります。
「小口献金」も
実際、鳩山氏が6月に会見した際、同席した弁護士は「(解雇された会計担当の)秘書が、『05年か少し前から毎年数十人ずつ事実ではない記載をした。寄付のお願いを怠っていた』などとのべている」と明らかにしました。04年分以前についても虚偽記載の可能性があることを否定していません。
一方、5万円以下で収支報告書に献金者の名前を記載する義務のない「小口献金」(匿名献金)についても、虚偽記載の疑いが指摘されています。
友政懇は、04年〜08年の5年間も約2670万〜4750万円、計約1億7850万円にのぼる「小口献金」があります。(グラフ参照)
年平均約3570万円。仮に全員が5万円の献金をしたとしても、毎年、700人以上の「匿名」献金者がいたということになります。
規正法の目的
東京地検特捜部は、「5万円以下」の献金者名も記載されている会計帳簿の任意提出を受けているといいます。
ことは、政治活動の公明と公正を確保することを目的とする政治資金規正法にかかわる疑惑だけに、首相側から十分な説明が必要です。
04年分の収支報告書や「小口献金」における虚偽記載の有無についての本紙の問い合わせに、鳩山氏側の窓口になっている弁護士は、「政治資金規正法違反事件の捜査が開始されており、鳩山事務所は捜査に全面的に協力している」としたうえで、「捜査中であり、個々の事項に関する問い合わせには、一切、お答えを差し控えさせていただく」としました。
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