2009年10月21日(水)「しんぶん赤旗」
大統領選は決選投票に
カルザイ氏、受け入れ表明
アフガン
大量の不正疑惑票の再集計で確定が遅れているアフガニスタン大統領選挙で、同国選挙当局関係者は20日、現職のカルザイ氏の得票が過半数を下回ったとして、11月7日に決選投票を行うことを明らかにしました。カルザイ陣営は「結果を受け入れる」と語り、当局が公表する最終結果に従うと表明していました。
ロイター通信によると、独立選挙委員会(選管に相当)の報道官は20日、不正票を除外した結果、「(1位だった)カルザイ氏の得票率は約49・7%で、過半数に達していない」と述べました。
首都カブールからの報道によると、カルザイ氏のスポークスマンはこれに先立ち、「選挙委員会の最終結果を待たねばならない。発表されれば、法に基づき受け入れる」と述べました。
憲法の規定により、過半数を獲得した候補がいない場合は、上位2人の決選投票で勝者を決めます。9月の暫定結果ではカルザイ氏が54・6%、2位のアブドラ外相が27・8%でした。
不正疑惑の調査を進めていたアフガンの不服審査委員会(ECC)は19日、調査結果を選挙委員会に報告。「不正の明確な証拠」が見つかった210カ所の投票所の票を集計から外すほか、ECCが計算した不正の発生率に応じて各候補の票を再計算することを求めていました。
決選投票を回避したいカルザイ氏側は不正の存在は認めたものの、これまでは「不正の度合いは誇張されている」としてECCに批判的な立場をとってきました。(安川崇)