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2009年10月20日(火)「しんぶん赤旗」

セラヤ氏復帰要求つづく

ホンジュラス暫定政権 デモを弾圧

軍が発砲 労組幹部死亡


 【メキシコ市=菅原啓】中米ホンジュラスで6月末に起きた軍事クーデター後の政情不安の解決策を探るセラヤ政権とミチェレッティ暫定政権の交渉では、18日も双方がそれぞれ解決策の検討を続けました。しかし暫定政権がセラヤ氏復帰の判断をクーデターに加担した最高裁に委ねることを求めており、両者の溝は埋まっていません。

 暫定政権は、米州機構(OAS)が仲介する交渉に臨む一方で、セラヤ氏復帰を求める国民への弾圧を続けています。18日には、国連代表団が人権侵害の状況調査のためにホンジュラス入りしました。

 これに先立って、17日、クーデターに反対するデモを弾圧した国軍の発砲を受けて重傷を負っていた労組幹部が死亡。「クーデター反対抵抗戦線」のバラオナ議長は18日、暫定政権の弾圧は「国民の抵抗をテロによってまひさせようとするもの」と厳しく非難するとともに、セラヤ氏復帰の実現まで抵抗運動を続けるとする声明を発表しました。

 死亡したのは、専門職訓練校労働組合のハイロ・サンチェス議長。9月22日に首都テグシガルパ市内でデモの先頭を行進していた際、軍隊が発砲した銃弾を頭部に受け、入院治療中でした。

 クーデターは選挙で正当に選ばれたセラヤ大統領を武力で国外に連れ出したもので、国連をはじめ国際社会は、同大統領の復帰を強く求めています。

 交渉では、セラヤ氏側が、同氏の復帰問題を国会で議論・決定することを新たに提案。一方、暫定政権側は、この問題の決定を最高裁の判断に委ねることを提案し、両者の主張は依然対立しています。


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