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2009年10月17日(土)「しんぶん赤旗」

国連総会第1委員会

核軍縮議論すすむ

オバマ大統領提案に各国が意見表明


 国際安全保障・軍縮問題を扱う国連総会の第1委員会では、5日から各国代表による一般討論が行われています。米国のオバマ大統領が「核兵器のない世界」をめざすと表明したことで、核軍縮の新たな進展を期待する声のほか、核不拡散・核軍縮を議題に史上初めて行われ、決議1887を採択した国連安全保障理事会の首脳級特別会合をめぐっても意見表明が相次いでいます。


 米政府代表は15日、非配備の核弾頭を含む核兵器保有量を「2012年までに01年段階から半減させ、1950年代以降で最少に引き下げる」ことを明らかにしました。

 別の演説で米代表は「核兵器が広まり、使用されることは、すべての人びとと国家の安全に対する根本的脅威だ。たった一つの核兵器が大都市で爆発すれば、数十万の人びとを殺し、社会と経済、生活習慣を壊してしまう」と指摘。「米国は核兵器のない世界に向けた具体的手だてをとり始めている」と強調しました。

 トルコ代表は「核兵器による抑止の時代は終わった」と述べ、「核兵器もその他の大量破壊兵器もいまの時代、どの国にも安全をもたらすことはできない」と指摘しました。

共同の努力

 ニュージーランド代表は米ロの核軍縮交渉再開などを歓迎する一方、来年春の核不拡散条約(NPT)再検討会議を前に「意味のある結果を確保するためには、共同の努力が必要なのは明らかだ」と述べました。

 ブラジル代表は米ロ交渉の進展を評価しつつも、「2国による提案が、完全軍縮に関する不可逆的で検証可能な多国間合意に取って代わるべきでない」として、核兵器の完全廃絶に向けた新たな措置をとるべきだと主張しました。

 タイ代表は「兵器がますます増え、強力になるほど、平和と安定への危機はより高まる」と大量破壊兵器の危険を強調。いまこそNPTの完全実施に向けた具体策をとるべきだと訴えました。

目標を追求

 日本代表は核軍縮にすべての国が責任を負っていると指摘。「核兵器を保有する国は完全廃絶を達成するために、大幅な核軍縮の具体的措置を実行せねばならない。非核保有国は不拡散の責務に忠実に従わねばならない」と述べました。

 ノルウェー代表は、「核兵器のない世界」の条件づくりへの取り組みを盛り込んだ安保理決議1887について、「核兵器の拡散が世界の平和と安全に対する脅威をなし、最も安全な解決策はその廃絶だとの強力なメッセージを発しただけでなく、核兵器のない世界という目標を追求する歴史的好機となっている」と評価しました。

 一方、南アフリカ代表は、核保有国が過去10年、「核軍縮・不拡散の分野で約束を反故(ほご)にしたり、責務を解釈し直したりしてきた」ことが、核軍縮の進展に不信や懐疑を生んできたと指摘。同決議についても、核軍縮よりも核不拡散に重点が置かれていると批判しました。



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