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2009年10月17日(土)「しんぶん赤旗」

JR西 事故調査委に圧力

遺族ら 疑念、憤り

期待踏みにじる裏切り行為だ


 107人が死亡したJR福知山線脱線事故をめぐりJR西日本が、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(当時)の委員や意見聴取会の公述人に接触し、発言内容について働きかけていたことが相次いで明らかになりました。遺族をはじめ関係者からは、同委員会が作成した事故報告書の信頼性を問う声があがっています。


 遺族らでつくる「4・25ネットワーク」は16日、国交省運輸安全委員会などに、報告書の内容を見直すことなどを求めた申し入れ書を送付しました。

 申し入れ書は、山口浩一元事故調委員が、JR西日本の山崎正夫前社長側から飲食接待を受け、調査状況や事故報告書案をもらし、前社長から修正発言をするよう求められていたことに触れ「(報告書の)内容の真偽そのものが問われている」と指摘。「少しでも事故の真相に近づけるのではとの期待を踏みにじり、われわれに対する裏切り行為であり、調査のあり方や役割に疑問を抱かざるを得ない」とし、委員会議事録や基礎的な資料、情報の開示を求めています。

 先月末には鉄道安全推進会議(TASK)が、同委員会へ要望書を提出。「委員会が公表してきた事故調査報告書の内容に重大な疑問を持たざるを得ない」とし、今回の不祥事の事実関係と背景について調査を行うことなどを要望しています。

 一方、前原誠司国交相は16日、閣議後の記者会見で、JR西日本が意見聴取会で4人の有識者に対し、公述人に応募するよう働きかけていた問題で「言語道断で許すべきではない。大変憤りを感じる」とのべ、同社の体質を批判しました。

 前原国交相はまた、JR西日本による元委員への働きかけが同報告書に影響を与えなかったかなどを調べる検証チームに、ノンフィクション作家の柳田邦男氏、TASK事務局長の佐藤健宗弁護士の就任が内定したことを明らかにしました。

 JR西に指示している内部調査について、「今のところなんら報告はない。焦らせて不十分な報告でもいけないので、期限は切らないが、経過報告ぐらいはそろそろしてほしい」と述べました。


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