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2009年10月16日(金)「しんぶん赤旗」

第9回中央委員会総会

志位委員長の結語


 志位和夫委員長が14日、第9回中央委員会総会でおこなった結語は次の通りです。


写真

(写真)結語を述べる志位和夫委員長=14日、党本部

 みなさん、2日間の会議、ご苦労さまでした。幹部会を代表して、討論の結語をおこないます。

 今回の総会の全体の特徴ですが、32人の同志が発言し、発言は全体としてたいへん充実したものでした。全国で約9千人のみなさんがCS通信で報告を視聴し、インターネット中継に約9千のアクセスがあり、約480通の感想が寄せられました。

 討論では幹部会の提起が非常に積極的に受け止められ、新しい情勢のもとでの「建設的野党」としての日本共産党の役割への確信が語られました。同時に、総選挙の総括を踏まえ、参議院選挙勝利への決意がみなぎった総会となりました。総会は大きな成果をおさめたことを確認できると思います。

新しい情勢の展開と日本共産党の任務について

 結語では、新しい情勢の展開と日本共産党の任務について、討論を踏まえて、いくつかの点をのべておきたいと思います。

事実にもとづいて見極め対応するとともに、 要求実現のたたかいを大いにすすめる

 報告では、民主党政権を「過渡的な性格をもった政権」と特徴づけ、現局面での「建設的野党」としての日本共産党の役割を四つの角度から明らかにしました。

 そのさい報告では、新政権の「行方がどうなるかは現時点では不透明」といいましたが、こういう状態は一定期間続くことになるでしょう。こういう時期に求められるわが党の姿勢として、つぎの両面が大切であります。

 党の政治的対応としては、一つひとつ事実にもとづいて見極め、対応していきます。すなわち予断や予測でものをいわないというのが、私たちの姿勢として大事であります。

 同時に、国民要求にもとづくたたかいは、いま全国でどんどん起こっているわけですから、ここは様子見に陥らず、暮らしの問題でも平和の問題でも、大いに要求実現のたたかいに取り組みたいと思います。

 この両面がいまの姿勢として大切だということを、まず強調しておきます。

よりすすんだ視点で、「事に通じる」努力をおこなう

 つぎにのべたいのは、「建設的野党」としてのわが党が真価を発揮するうえでは、これまでの延長線上でない活動の「新しい探究」、「新しい発展」が必要となってくるということです。つぎの3点をとくにのべておきたいと思います。

 第一は、どんな問題でも、政府・与党よりもよりすすんだ視点で、とことん「事に通じる」努力を、私たちがおこなうということであります。

 たとえば、報告では、新政権の政権運営の基本姿勢にかかわる問題点について、率直な提起をおこないましたが、この問題提起もそういう視点からおこなったものです。

 報告では、八ツ場(やんば)ダム問題についてのべました。ダム中止という方向そのものは、もちろんよい方向なのですが、現実にはいろいろな矛盾やあつれきが起こる。いったいどこが問題なのか。そこを掘り下げて明らかにしてみますと、民主党政権の一部に「マニフェスト絶対主義」ともいうべき態度がある。民主的プロセスの問題点がある。このことを率直に提起しました。そしてどうすれば、道理ある解決がはかられるかも、あわせて提起をいたしました。

 それから、報告では、民主党が、いますすめようとしている官僚の答弁の禁止など「国会改革」の問題についても、わが党の立場を明らかにしました。昨日のニュースでは、民主党は今度の臨時国会に、国会法の「改正」案を提起して、官僚の答弁を禁止するなどの法的な措置をとる動きだということが伝えられております。いったいこの問題のどこが問題なのか。民主党の側は、「脱官僚」ということをいうわけですけれども、報告ではこれが、憲法にてらして大きな問題点があるということを明らかにしました。すなわち憲法が規定している国会の「国政調査権」、「行政監督権」、こういう権能にてらして大きな問題点があるということを提起しました。

 だいたい、“官僚の答弁に頼らないためだ”といいますけれども、頼らないというのであれば、総理大臣や大臣が自分で答弁すれば、すむことであります。自民党政権の時代にも、実力のある総理大臣や各省の大臣は、それなりに自分の言葉で答弁をしたものでした。ですから自分で決めて実行すればすむことであるにもかかわらず、法律で一律禁止となれば、官僚機構の問題点を、主権者である国民とその代表者である国会の批判や点検から、いわば擁護してしまうという結果になります。

 このように、どんな問題にさいしても、私たちは、政府・与党よりもよりすすんだ視点で、どこに問題があるのか、どういう方向が解決方向なのかということを、踏み込んで明らかにしていく。どんな問題でも、「事に通じる」努力をおこなって、政治を前にすすめる、わが党の建設的立場が浮き彫りになるような対応が必要だということを、私たちは、つねに心がけて取り組んでいきたいと考えています。

草の根の運動との共同――国民の政治動向の大変動のもとで新たな発展を

 第二は、草の根の運動との共同で、政治を動かすということです。

 報告では、暮らしと平和にかかわる直面するたたかいの課題を提起しました。いま国民運動の諸団体は、どこもたいへんに元気です。自分たちのかかげてきた要求が、実際に実現する可能性がでてきた。そこからいま、たいへん活発に活動が広がっていますが、そうした国民運動とあらゆる分野で連帯を強め、たたかいを発展させることを、かさねて呼びかけたいと思います。そのさい、従来の国民の政党支持の枠組みが、いま大きく崩れています。国民の政治動向の大変動が生まれています。その条件をくみつくした、たたかいの発展が必要であります。

 報告では、農業分野や、医療分野での変化についてのべました。報告で、JA全中(全国農業協同組合中央会)の全国大会への、わが党代表の参加・あいさつのことを紹介しましたが、何人もの同志からの発言で、全国大会に参加された各地の農協の組合長さんなどのなかに、わが党のあいさつへの歓迎の声が広がっていることが、語られました。あいさつは、時間にしますと、わずか2分あまりのたいへん短いものです。それでも参加された農協の組合長さんなどの気持ちと響きあったわけで、たいへんうれしいことであります。ハンドマイク宣伝などでも、2分ちょっとあれば、農家のみなさんに私たちの政策を訴え、心を届けることができるわけです。私たちの政策が、そういう力を持っているということに大いに自信を持ちながら、新しい共同と連帯を強めたいと思います。

 発言のなかでは、民放テレビの関係者が主催した医療問題の討論会に、日本共産党と、民主党と、自民党の代表が出席したけれども、この問題では日本共産党が一番だと、共感の流れができたということも紹介されました。

 農業でも医療でも、これまでの自民党支持押し付けという枠組みがはずれて、すべての党に「全方位」で政策を聞いてみたら、結局一番いいのは日本共産党だと、いうことになっていくというのが、いまの状況だと思います。これまでにない広範な人々との共同したたたかいを、大いに広げる条件が目の前に広がっているのであります。

 発言では、総選挙後、地方議会で大変動が起こっていることも報告されました。住民の利益に立った、福祉や暮らしの充実を求めるさまざまな意見書、決議などが、次々と採択されるという状況が報告されました。わが党の出した提案がどんどん可決されるので、出した方も驚いているという発言もありました。

 いま地方議会では、自民党と公明党は、放心状態といいますか、意気消沈状態に陥っています。では民主党はどうかといいますと、この党も混迷し、方向を失うという状況に陥っていることが、こもごも報告されました。それはこの党が、これまで地方政治においては、「オール与党」の一角を担ってきた矛盾が噴き出しているのだと思います。それにくわえて、首長選挙において、反自民で一致してたたかうのではなく、民主党の単独候補への支持をセクト的に押し付けることからくる矛盾も、いろいろな形であらわれています。

 そういう他党との関係でも、「オール与党」政治にきっぱり反対して、住民福祉の機関としての地方自治体の再生のためにがんばってきた日本共産党の値打ちが光るという状況が、全国どこでも生まれています。

 あらゆる分野で、こういう新しい条件の広がりをくみつくしたたたかいを、草の根から大いに広げようではありませんか。

綱領の立場にたった根本的打開策、「事の筋道」を新鮮に打ち出す

 第三は、わが党綱領の立場に立った根本的打開策、問題を解決するうえでの「事の筋道」を、新鮮に打ち出していくということであります。

 国民の暮らしの切実な願いをかなえようとしたら、どんな願いをとってみても、根本は、財界という壁にぶつかってきます。どんな問題でも、本格的な政策転換をおこなおうとすれば、「財界中心」の政治のあり方にぶつかってきます。派遣労働の問題、地球環境の問題、消費税の問題、どの問題でも、ここに国民の暮らしを苦しめる根源があることが、一つひとつを突き詰めていけば明らかになります。そういうもとで、一つひとつについて、党綱領の立場から、根本的打開策を示し、「事の筋道」を明らかにしていく努力が必要であります。財界が「国際競争力のため」などいろいろな議論をぶつけてくる、それを打ち破っていく論陣をはれるのは日本共産党です。そういう努力のなかで、わが党綱領が示している「ルールある経済社会」というビジョンを、新鮮に押し出していくようにしたいと思います。

 平和の願いについていいますと、わが党綱領の立場というのは、アメリカを、いわば複眼でとらえて、前向きに変化した部分については変化を促す対応をする、変化していない悪い部分についてはきちんと正面から批判をする、こういう立場ですが、この立場がいまたいへん光っているわけです。わが党はこの綱領の見地で、平和の課題について積極的な対応をしてきました。ここでも平和の願いをかなえていくうえでの太い考え方、「事の筋道」を打ち出していく努力が必要になっています。

 わが党は、核兵器問題で、米国オバマ政権に起こった前向きの変化に働きかける努力を、世界でも、日本でも、あらゆる機会をとらえてやってきましたが、そのさい、どうやったら人類は「核兵器のない世界」に到達できるかについて、「核兵器廃絶を主題とした国際交渉」こそ必要だという、「事の筋道」を明らかにしていく論建てをしっかり組み立ててきました。この立場が、いま世界の動きと響きあって光っているわけです。新政権にたいしても、この立場にたって働きかけていく必要があります。

 同時に、米国政府は、日米関係については、変化が必要だと思っていないわけです。それは、長期にわたる自民党政治が卑屈な対米従属政治を続けてきたことの反映です。戦後長きにわたってそうした卑屈な従属政治を続けてきたものですから、米側から見て変化の必要を感じないわけです。ですから日米関係については、日本国民の利益にかなう要求を実現しようと思ったら、日本が、いままでの態度を大もとから変え、よほど本腰を入れて米国に働きかけなければ変化は起こりません。

 沖縄の普天間基地の問題が、いま大きな焦点になっていますけれども、この問題を考えるさいにも、米軍基地を沖縄県内で「たらい回し」にする、この路線が破たんしたわけですから、その事実のうえに立てば無条件撤去という解決策しかないわけです。これは抜本的な解決策なのですが、それしか解決策はないわけです。しかし、アメリカ政府にその要求を受け入れさせようと思ったら、それこそいままでの姿勢を一変させ、本腰を入れた取り組みが必要になります。そして沖縄の県民、日本国民が連帯した、国民のたたかいが必要になってくるわけです。

 こうした立場から、日米関係で本当の変化をつくるためには、基地の問題でも、自衛隊の派兵の問題でも、どんな問題でも、国民のたたかいが必要だという立場で、大いにたたかいをおこしていきます。新政権にたいしても、日米関係という問題で変化をつくろうと思ったら、それこそ生半可な対応では動かない、本腰を入れた取り組みが必要なのだということを、提起していくつもりであります。

 そして、日本共産党は、日米軍事同盟解消という立場に立つ党です。そういう立場に立つ党だからこそ、直面する平和の諸課題で国民の立場で奮闘できる。ここに自信をもって、大いにがんばりたいと思います。

 3点ほど提起しましたが、「建設的野党」としての真価を発揮した仕事をするためには、「新しい探究」、「新しい努力」が必要です。中央役員のみなさんが、中央と地方、それぞれ部署が違いますけれども、それぞれの立場でお互いに「新しい探究」をおこない、「建設的野党」としての真価を国民の前で生き生きと発揮し、それを国民のみなさんに評価していただいて、つぎの選挙での勝利に結びつくような奮闘を、開拓者精神をもって大いにやろうではないかということを、呼びかけるものであります。

総選挙の総括、参議院選挙勝利の方針、「党躍進特別期間」について

 さて、この総会での大きなもう一つの主題は、総選挙の総括、つぎの参議院選挙勝利をめざす方針、そして党大会をめざす「党躍進特別期間」の提案であります。

参院選の目標と予定候補者発表への歓迎――一気に“参院選勝利モード”に

 この総会で、参議院選挙の政治目標と比例代表予定候補者、東京選挙区の予定候補者を発表したことは、大きな歓迎の声で迎えられました。発言でも、全国から寄せられた感想でも、「今度こそ勝とう」という機運が、全党に起こりつつあるのは、うれしいことであります。この総会の内容を全党に一気に伝えて、全党を一気に“参議院選挙勝利モード”に切り替える必要があります。

 来るべき参議院選挙は、報告でものべたように、まったく新しい政治局面、新しい政党配置のもとでの選挙です。政党間の力関係を大きく変える条件をはらんだたたかいになります。この政治戦を大志を持ってたたかい、必ず勝利をつかむ決意を、総会を終えるにあたってみんなで固め合おうではありませんか。

「持てる力を出し切る」――原点に返って「支部が主役」の党づくりを

 報告では、総選挙での総括と教訓を、すべて参議院選挙でのたたかいに生かそうということを強調しました。総括はすべて方針につながっていきます。報告は、そういう組み立てになっています。

 報告では、宣伝、対話・支持拡大で、これまでにない積極的な奮闘がおこなわれたこととともに、不十分さや今後の課題も示したということについて、自己分析をいたしました。これは、そのまま参議院選挙での課題ともなってきます。

 また、報告では、「党の実力がどうだったか」と問いかけ、今度の総選挙は、「実力をつける途上での選挙だった」とのべました。

 「持てる力を出し切る」という角度では、日常平素からの「支部が主役」の党づくり、この党建設の大道にあらためて光をあて、ここに粘り強く取り組んできたところで、いざ選挙というときに総合力と瞬発力が発揮されているということを教訓として引き出しました。この提起が、発言でも、全国からの感想でも、たいへん新鮮に、積極的に受け止められています。多くの同志の発言でも、「支部が主役」の党活動の重要性がたくさん語られ、それに取り組んだところでの教訓によって裏付けられました。

 この点で、私は、あらためて第24回党大会決定と、2006年7月におこなわれた2中総決定に立ち返って、党づくりに取り組むことを提起したいと思います。2中総決定では、全国すべての地区委員長のみなさんにアンケートをお願いし、その結果にたって、「政策と計画」をもった「支部が主役」の活動をどう発展させるかについて、つっこんだ掘り下げをおこないました。あのときの議論を思い起こしてもらいたいのですが、総会での議論でも、「この道しかない」が合言葉となったことを思い出します。

 七つの点を重視しようということが、あの総会での確認になりました。一つは、「国民との日常的な結びつきと要求にもとづく活動を重視し、それを励ます活動に取り組む」こと、二つは、「支部の自発性・自主性を大切にする」こと、三つは、「『即効性』をもとめず、『いまの努力が必ず実を結ぶ』という確信をもって」取り組むこと、四つは、「党勢拡大と『支部が主役』の党づくりの統一的な追求をはかる」こと、五つは、「党員拡大も『支部が主役』で取り組んでこそ、安定的に前進する」こと、六つは、「『しんぶん赤旗』中心の党活動、『支部が主役』の配達・集金活動」をつよめること、七つは、「すべての職場支部に『講座』の成果をつたえ、前進をかちとる」ことであります。

 この決定を読み直してみますと、ここに、「支部が主役」の活動を前進させる中心的な方針はみんな書いてあると痛感します。ぜひこの第24回党大会決定、2中総決定のこの部分をあらためて読み直していただいて、今後の活動に生かしていただきたい。「この道しかない」と確認した原点に立ち返って、党大会にむかう運動、参議院選挙勝利をめざす運動に取り組みたいと思います。

「自力をつける」――党の政治的影響力と党勢との間には大きなギャップが

 いま一つ、「自力をつける」という角度についても、討論で深められました。

 報告で紹介した、この総選挙でわが党が得票率を大きく伸ばした上位三つの自治体での経験が、たいへん積極的に受け止められました。「やるべきことをやっているところでは結果がでている」、「やはり党を強く大きくすることが勝利への道だ」という感想がたくさん寄せられました。

 私が、発言を聞いて重要だと感じたのは、ある同志が発言のなかで、「いまの党の影響力と党勢との間には大きなギャップがある」とのべたことです。たしかに大きなギャップがあるのです。

 「しんぶん赤旗」日曜版読者1人あたりの比例得票数を計算してみますと、今回の選挙では全国平均では4・01票と、かなり高い数字になります。21世紀にはいって6回の国政選挙をたたかっていますが、これまでは日曜版読者1人あたりの比例得票数は、2票台から多くて3・5票ぐらいまでなのです。これだけギャップが開いたことはありません。党勢の弱さを、正確な論戦と、全党の奮闘でおぎなった、そして善戦・健闘という結果をえたというのが今回の結果だと思います。

 ギャップがある、党の影響力に比べて党勢が少ないということは、逆にいえば党勢拡大の条件が大いにあるということです。しかも今度の総選挙で、比例代表で494万人という支持を寄せてくださった方々のまわりには、100万人、200万人という単位で、わが党に新たな関心や期待を寄せてくださっている方々が生まれているのも事実です。こんなに党勢拡大の条件が広がっているときはないということを、強調したいと思うのであります。

 こうした点もとらえて、「持てる力を出し切る」という問題と、「自力をつける」という問題で、ぜひ総選挙の教訓を、ただちに参議院選挙の方針に生かそうということを、強く訴えるものであります。

「党躍進特別期間」――必ず目標をやりきり、参院選勝利の道を開こう

 さて、党大会にむけた「党躍進特別期間」についてであります。

 この「特別期間」は、総選挙の総括を踏まえ、参議院選挙の勝利を展望して、その最初の関門として提案したものでしたが、発言でも、全国からの感想でも、この提起がたいへん積極的に受け止められたことは、うれしいことであります。これを必ず成功させるうえで、いくつか留意して取り組みたい点について、のべておきたいと思います。

 第一は、「特別期間」の四つの課題を総合的に推進しつつ、党勢拡大の独自の追求に執念を持って取り組むということです。すなわち国民要求実現のたたかい、「大運動」の推進、党勢拡大、「党生活確立の3原則」、これらを総合的にすすめる。同時に、そのなかで党勢拡大については、執念を持っての独自追求がどうしても必要だということです。

 この四つの課題というのは、国民の願いにこたえ、広範な国民との結びつきを強めつつ質・量ともに強い党をつくろうということですが、それぞれが有機的に結びついている課題ですから、総合的にすすめてこそ全体が前にすすむことになります。ただそのなかで、党勢拡大はとりわけ大きな力が必要となります。独自追求なしには絶対に前進しないのがこの課題ですから、このことを肝に銘じてがんばりぬきたいと思います。

 第二に、この「特別期間」というのは、党大会にむけた運動ですけれども、参議院選挙勝利をめざす最初の大きな飛躍をつくろうという運動ですから、「やれるだけやる」ではすみません。「目標をやりきる」という立場で、あらゆる知恵と力を出そうということを訴えたいと思います。

 今度の「特別期間」で提起した目標は、どれも積極的な目標です。とくに党勢拡大の目標は、たいへんに大志ある目標であります。党員拡大の目標もそうですし、「しんぶん赤旗」読者の拡大で、前大会を必ず上回って大会を迎えようという目標も、大志ある目標であります。ですから、この目標をどうやってやりきるかを、ぜひ機関でも支部でも正面から議論していただきたい。議論しながら実践し、実践するなかでさらに決意を固めるという取り組みに、ただちに足を踏み出すことを訴えるものであります。

 拡大の目標は大きいようですけれども、読者拡大で考えてみましても、全支部と党員が立ち上がれば、“みんなで担えば荷は軽い”というのは今度の運動でもいえることです。今度の読者拡大の目標というのは、1支部平均で計算しますと、日刊紙で2人、日曜版で8人の読者の純増をかちとれば全体の目標を達成できます。もちろん支部には、すすんだ支部もあり、発展途上の支部もあり、困難を抱えている支部もあり、さまざまだと思いますが、平均すればそれくらいの数なのです。みんなが立ち上がれば、目標は必ずやりきれます。そういう構えで、必ずこの目標をやりきりたいと思います。

 第三に、全党員が立ち上がるうえで、情勢と党の役割、総選挙の総括、参議院選挙の勝利の方針について、みんなの心に灯をともし、確信を伝える政治的な指導と援助に、熱い心を込めて、機関が取り組むことが大切であります。

 そのさい、9中総決定とともに、「記念講演」を全支部・全党員に徹底することを重視していただきたいと思います。「記念講演」は9中総決定の前提ともなっているものです。「記念講演」のダイジェスト・ビデオ、DVDも大いに活用しながら、すべての党員に9中総決定と「記念講演」を届け、読んでもらい、すべての党員が参加する党づくりに取り組みたいと思います。

 第四は、中間地方選挙の問題です。中間地方選挙で前進をかちとりつつ、「特別期間」を成功させるということに挑戦したいと思います。

 総選挙後の中間地方選挙の結果は、15市28町村でたたかわれ、日本共産党は64人が立候補して60人が当選し、前回比で3議席を増やしています。他党を見ますと、民主党は17人が当選し9議席増、自民党は21人が当選し2議席減、公明党は46人が当選し2議席増、社民党は4人が当選し1議席増であります。日本共産党は当選者の数が第1党ですし、議席増も民主党につぐ数になっています。わが党の議席占有率は7・13%から8・42%に前進し、議席占有率の伸びも民主党につぐものとなっています。得票は前回比平均で100・7%、総選挙の比例得票比で139%であります。こういう上げ潮の流れに大いに確信を持ちつつ、一つひとつの選挙で必ず勝利をかちとる、ここでも前進のうねりをつくりだしながら、党大会成功と参議院選挙勝利の流れをつくっていこうではありませんか。

 党大会にむけた「党躍進特別期間」を全党の知恵と力を総結集して必ず成功させ、さらに活動を発展させて、来年の参議院選挙では必ず勝利者となるために奮闘しようではありませんか。以上をもって結語といたします。


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