2009年10月11日(日)「しんぶん赤旗」
なぜ必要ないのか生活再建どうする
八ツ場ダム群馬で考える集い
市民団体代表ら発言
共産党主催
前原誠司国土交通相が中止を表明した八ツ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)の建設をめぐって国民的議論が広がるなか、日本共産党群馬県委員会は10日、同ダム問題を考える学習会を前橋市内で開きました。ダム建設に関係する都県をはじめ約300人が参加しました。
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八ツ場ダムはなぜ必要ないのかを科学的・大局的に検証するとともに、半世紀以上もの長期にわたって苦難を強いられてきた地元住民の生活再建と地域振興策について意見交換しました。
八ツ場ダムをストップさせる市民の会連絡会の嶋津暉之代表が講演し、八ツ場ダムの必要性のなさや危険性について具体的データを示しながら指摘。「中止した方が高くつく」「中止にともなって暫定水利権が失われる」などの議論について一つ一つ誤りを正しました。また建設予定地の現状にふれながら、ダム事業中止後の現地の生活再建と地域再生を進めるために生活再建支援法の制定が必要だとのべました。
日本共産党の塩川鉄也衆院議員が報告し、「国民と日本共産党の共同したたたかいが新政権に八ツ場ダム中止の立場をとらせることにつながった」とのべました。また、新政権には地元住民に対し真摯(しんし)な姿勢で謝罪するとともに、同ダムに関する情報を公開し国民に中止の理由をていねいに説明することが求められていると強調。建設推進勢力の巻き返しの動きを軽視せず、事実にもとづいて反論していくことが大事だとのべました。
同ダム計画見直しを求める関係都県の議員でつくる「八ツ場ダムを考える1都5県議会議員の会」の関口茂樹代表世話人(群馬県議)があいさつ。
「八ツ場あしたの会」の渡辺洋子事務局長が建設予定地の状況を報告しました。
会場からは、建設中止の手続きや、関連事業をどうすべきか、推進派の巻き返しに対する運動の進めかたなど多くの質問・意見が寄せられました。