2009年10月10日(土)「しんぶん赤旗」
署名一筆、世界動かす
「核兵器のない世界を」署名をすすめるために原水爆禁止日本協議会(日本原水協)が呼びかけた全国いっせい署名行動が9日、各地でとりくまれました。
核ない世界へ私も 東京
日本原水協や東京原水協は6日の行動に続き、東京・上野公園口で署名を訴えました。
高草木博事務局長は、半世紀以上にわたり、被爆者の声を世界に伝えてきたことが世界を変え、国連安保理で「核兵器のない世界」の条件を築くという決議があがったことなどをのべ、「一筆一筆がその力になった」と強調。来年5月の核不拡散条約(NPT)再検討会議に向けた署名への協力を呼びかけました。
「オバマさん(米大統領)も、鳩山さん(由紀夫首相)も核兵器のない世界といってますね」など次々と署名に応じ、1時間で200筆以上が寄せられました。原爆パネルをみていた横浜市の女性(20)は、「核兵器廃絶という理想にむかって動きを大きくしていかなくてはならないと思う」と署名。千葉県柏市の被爆者(74)は「被爆者の願いである核兵器廃絶の流れができてきたと思う。ぜひ実現したいです」と話しました。
全労連の小松民子副議長、日本宗教者平和協議会の森修覚さん、日本平和委員会の佐藤光雄代表理事らが訴えました。
国連に願い届け 長崎
来年5月の核不拡散条約(NPT)再検討会議へ向け「核兵器のない世界」をめざす草の根の動きを強めようと、原水爆禁止長崎県協議会は9日、長崎市の平和公園で核兵器禁止・廃絶条約の交渉開始、締結を求める「核兵器のない世界を」署名にとりくみました。
メンバーが「NPT会議に提出する署名です。国連に核兵器廃絶の思いを届けましょう」と呼びかけ、観光客らが次々と署名に応じました。
原爆パネルに見入っていた初老の男性は、「むごいこと。戦争は殺人です。核兵器はなくす以外にありません。がんばってください」と激励。弟を原爆で亡くしたという男性は自らの戦争体験を語りながら、「核兵器は廃絶せん限り、平和にはならん」と強い口調で話しました。
外国人観光客も多く訪れ、韓国、中国、タイ、スイス、ドイツなど国際色豊かな署名となりました。中南米のガイアナから研修で来たという男性は、「核兵器は人間性を否定する最悪の兵器」だと述べ、「世界のリーダーたちは、核兵器廃絶について話し合い、署名すべきです。それが人間らしい世界を存続させ、次世代の子どもたちが人間らしく暮らせる世界をつくることです」と語りました。
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