2009年10月9日(金)「しんぶん赤旗」
人間らしい労働ぜひ
「企業の目的は金もうけだけではない」
雇用改善求め集会
フランス
解雇や失業の長期化など、経済危機の悪影響が続くもとで、フランス各地で7日、労働者が雇用改善を求め集会、デモ、ストライキなど、さまざまな行動に取り組みました。国際労働組合総連合(ITUC)が取り組む「世界ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい労働)デー」に、主要労組7組織が呼びかけたもの。(山田芳進)
パリでは大企業経営者の組織、仏企業運動(MEDEF)本部前で集会を開催。約7千人(主催者発表。警察発表3千人)が集まりました。
今年に入ってから主要労組が雇用維持などを求めて取り組んだ統一行動では、数万人規模のデモなどが組織されてきました。
労働総同盟(CGT)のティボー書記長は「数の規模で判断するべきではない」と述べ、多様な取り組みがあったと強調。仏民主労働同盟(CFDT)のシェレク書記長は、行動の狙いについて、「企業の目的は金もうけだけでなく、保健衛生、労働条件、労働者一人ひとりの個人的成功など、社会的な目的もあると経営者に伝えることだ」と述べました。
経済紙トリビューンに同日発表された世論調査では、62%が経済状況が好転していないと答えるもとで(9月上旬に比べ5ポイント増)、70%がこの日の行動を支持しました。
この日各地で注目されたのは、通信最大手フランステレコム労働者でした。15%以上の社員がストに参加したとされます。同社では、職場問題でのストレスなどが原因と思われる自殺者が、この18カ月で24人にのぼり、5日には副社長が辞任に追い込まれました。
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