2009年10月9日(金)「しんぶん赤旗」
辺野古 命の思い2000日
米軍新基地反対座り込み
沖縄
沖縄県名護市の辺野古崎沿岸に日米両政府が計画する米軍新基地建設に反対して抗議と監視を続けるヘリ基地建設反対協議会の現地座り込み行動が9日、2000日を迎えます。(山本眞直)
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「あっ、また来た」。真っ青な海と空を突き抜けるように接近する真っ黒な米軍ヘリ。ヘリ基地反対協のテント村に座り込む市民の目の前を不気味な爆音を響かせながら辺野古の海上を急旋回。海面すれすれまでの低空飛行で空中停止(ホバリング)を何度も繰り返します。海面から水しぶきがあがります。
墜落するぞ
誰ともなく不安の声があがりました。「墜落するぞ」「ジュゴンを追っ払っているみたいだ」
テント村にかかる座り込み日数の数字が2000日の1日前の「1999日」を示しています。この日もテント村には東京など全国各地から20人が激励に訪れていました。訪問者はのべ10万人に。
座り込みは2004年4月19日の那覇防衛施設局(当時)のボーリング調査阻止行動をきっかけにスタート。同協議会は「連続座り込みを足がかりにして辺野古新基地建設白紙撤回、環境影響評価(アセスメント)作業中止を新政権に求める」として市民集会を10日に現地、辺野古浜で開きます。
県議会野党と県民諸団体は7日、オバマ米大統領の来日(11月12日、13日)にあわせて11月7日に県民大会を開くことで一致。辺野古への新基地建設計画撤回を迫る構えです。
新たな局面
新基地建設反対のたたかいはいま新局面をむかえています。
今回の衆院選で県内の新基地建設推進の自民・公明議席がゼロになり、民主党政権はこうした県民世論を背景に普天間「移設」を含む米軍再編「見直し」を迫られています。
しかし鳩山首相は「普天間の話では沖縄県民の気持ちがある意味で一番大事」(7日)としながらも、「県内容認」ともとれる発言をし波紋を広げています。
名護市を中心に県北部の市民団体でつくる「やんばる統一連」の具志堅徹代表(日本共産党名護市議)はこう指摘します。
「日米両政府による新基地建設(県内たらいまわし)の押し付けに対し、『海を埋め立てて新しい基地をつくることはとんでもない。わしらは、ここで命をつないできた。人柱になっても食い止める』という辺野古のおじぃ、おばぁたちの思いが全市民の思い、県民の声となり、平和を願う国民の支えで新基地建設を止めてきた。その結果が今度の選挙で明確に示された。新政権がこの県民の願いをきちっと受け止めて、米国と対等に交渉して県内移設を断念することこそが県民にこたえる道だ」
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