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2009年10月9日(金)「しんぶん赤旗」

農業再生に向け新たな共同を

JA大会 志位委員長あいさつに大きな拍手

“全政党に働きかける”特別決議


 JA全中(全国農業協同組合中央会)は8日、第25回全国大会を東京都渋谷区のNHKホールで開催しました。大会には、約2500人の農協組合長や農家、農協職員などが参加。農政運動の方針について「政府・与党をはじめ、全ての政党に対して生産現場の農家組合員の声を主張し、国政に反映するという国民運動」をおこなうことを特別決議しました。


写真

(写真)第25回JA全国大会であいさつする志位和夫委員長=8日、東京都渋谷区

 茂木(もてき)守会長が主催者あいさつし、アメリカ型の市場原理主義の過度な偏重が見直され、協同組合理念が再評価されていると強調、「JAグループの旗のもと、大転換期における新たな協同の創造という方向に確信をもっていこう」と訴えました。

 従来のJA大会は自民党を中心に政府・与党幹部を招待し、歴代の総理大臣が来賓あいさつをしてきましたが、今回は来賓あいさつが様変わりしました。

 鳩山由紀夫首相のあいさつは松野頼久官房副長官が代読、民主党としての出席はなく、郡司彰農林水産副大臣があいさつしました。日本共産党、自民党、公明党、社民党、国民新党、みんなの党の代表が招待され、あいさつしました。

 農協大会史上初めて日本共産党の代表として招かれた志位和夫委員長は、自民党の谷垣禎一総裁、公明党の井上義久幹事長についで来賓あいさつしました(別項)。「価格保障、所得補償を組み合わせてコメでは1俵(60キロ)1万8000円の収入を保障する」との党の提案を紹介すると会場のあちこちから「ほー」というどよめきと拍手が起こりました。日米FTAや日豪EPAなどの輸入自由化反対を貫くことを訴えるとさらに大きな拍手が。あいさつの後、志位氏が壇上で茂木会長と握手すると再び会場がどよめきました。その後あいさつした国民新党の自見庄三郎幹事長が「自民党には拍手がなく共産党に大きな拍手がある。時代は変わった」と感想をのべる一幕もありました。


共産党 二つの提案

志位氏のあいさつ

 みなさん、おはようございます(「おはようございます」の声)。ご紹介いただきました日本共産党の志位和夫でございます。

 第25回JA全国大会のご盛会おめでとうございます。地域の農業を守り、安全で安心な食料を国民に届けるために全国で頑張っておられる組合員のみなさんに、日本共産党を代表して心からの敬意を申し上げます。

 日本農業の再生は、地域経済の活性化のうえでも、食料自給率を引き上げるためにも、まったなしの国民的課題です。そのためには、なによりも農家のみなさんが安心して農業にはげめる条件を、政治の責任でつくることが必要であります。

 私たち日本共産党は、二つの提案をしています。

 一つは、農産物の価格保障と所得補償を組み合わせて、再生産が可能な農業収入を保障することであります。おコメでしたら1俵1万8000円を保障すべきだということを提案しています。(拍手、どよめき)

 二つ目は、関税などの国境措置を維持・強化し、農産物輸入の歯止めない自由化にストップをかけることであります。(「そうだ」の声、拍手)

 主要な農産物、とくにその国の主食について高関税で守ることは、EU(欧州連合)でもおこなわれている当然のことであります。

 私たちは、農業とコメにとりかえしのつかない打撃を与える日米FTA(自由貿易協定)にも日豪EPA(経済連携協定)にも断固反対をつらぬきます。(「ようし」の声、大きな拍手)

 緊急の措置として、ミニマムアクセス米の「義務的」輸入を中止し、政府が備蓄米を買い入れ、米価を下支えすることも提案しております。

 以上の二つの提案を「建設的野党」として新政権に提案していくつもりでございます。(拍手)

 大会議案を拝見しましたが、「新たな『協同の輪』を広げ(る)」ことを大会方針に掲げられたJA(農協)のみなさんが、農業者と消費者の協同、国民的共同の輪を広げ、日本農業の再生に大きな役割を果たされることを心から願い、ともにたたかう決意を表明し、お祝いのあいさつとします。どうもありがとうございました。(大きな拍手)



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