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2009年10月8日(木)「しんぶん赤旗」

政治を前に 建設的野党として

米軍基地のない沖縄へ

県民の思い 党派超えて

共産党 「たらい回し」決別を提起


 8月の総選挙で、在日米軍再編の推進勢力だった自民、公明の衆院議員が沖縄県でゼロとなり、在日米軍再編の見直しを公約にした民主党政権の誕生という激動が生まれました。沖縄県民や国民と連帯してたたかってきた日本共産党の役割に期待が高まっています。


見直し協議

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(写真)新基地予定地周辺で、米軍輸送ヘリのデモフライトを見守る住民ら=9月10日午前11時55分ごろ、辺野古漁港

 これまでの自公政権は、在日米軍再編の目玉として米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)の“代替”と称して、同県名護市辺野古沿岸部に新基地を建設する計画に固執してきました。

 同計画は、1995年の米兵による少女暴行事件で高まった「基地撤去」の沖縄県民の怒りをそらすための、SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)合意(96年)による「基地の県内たらい回し」路線に基づくものでした。

 これに対して、鳩山新政権は「県外移設・国外移設」を基本方向としてきました。鳩山由紀夫首相は、9月の訪米中も「基本的な考え方を変えるつもりはない」と強調。同月の日米外相会談では米軍再編の見直し・協議を米側に提起しました。一方で、閣僚からは「(県外移設は)厳しい道のりだ」(北沢俊美防衛相)との発言も出ています。11月予定のオバマ米大統領の訪日までに、普天間基地問題を含めた「包括的レビュー」を行うとしていますが、その方向は定まっていません。

 米側は、同外相会談でクリントン国務長官が「現行計画の実現が基本だ」としつつ、「パートナーシップの精神で話し合っていく」と述べ、協議自体には応じる姿勢です。

 新政権が見直しを表明し、米側も協議に応じる姿勢を示している今、国民のたたかい次第で新たな局面が生まれる可能性が開けています。

提案重ねて

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(写真)辺野古での座り込み5周年集会の参加者。右から2人目は赤嶺衆院議員=9月18日、名護市、辺野古の浜

 日本共産党は「基地たらい回し」というSACO合意の危険をいち早く指摘。一貫してSACO合意反対の立場でたたかってきました。辺野古で現地調査や住民懇談会を開くとともに、住民と一緒に反対運動に取り組み、97年の名護市民投票で新基地建設反対が多数という結果を示しました。

 2000年の沖縄サミットでは米軍基地問題を各国政府・マスコミに訴える「報告と訴え」を発表するなど、「基地のない沖縄」をどうやって実現するかの提案を重ねてきました。

 志位和夫委員長は、総選挙や9月9日の党創立記念講演などで、普天間基地問題の解決には「基地の県内たらい回し」であるSACO合意路線からの決別を提起してきました。

県民集会へ

 「(普天間基地は)県外移設がベストだが、県内移設もやむを得ないものと考え、これまで取り組んできた」「(政府がどう考えているのか)よく話を聞きたい」。9月30日の沖縄県議会で仲井真弘多知事はこう答弁し、戸惑いを隠しませんでした。新基地建設を受け入れてきた沖縄の自公県政もより所を失って動揺しているのです。新基地建設のための環境影響評価の準備書についても、審査会が追加調査を必要とする答申を出し、仲井真知事は13日までに回答を迫られています。

 沖縄県議会の日本共産党を含む野党会派は、昨年に可決した新基地建設反対の決議後、県内移設反対の一致点で足並みをそろえ、日本政府に新基地建設の断念を求めています。

 玉城義和県議会副議長=無所属=は、「辺野古への新基地建設は右のポケットから左のポケットに(負担を)移すみたいなもので、体全体は軽くなりません」と強調します。

 野党会派では、新政権の担当閣僚に要請することや、11月のオバマ米大統領訪日の前に、大規模な県民大集会を開くことを計画しています。玉城氏は、「地元の座り込み運動も続いています。県民大集会で県民の思いを改めて明確に示したい」と熱意を語りました。

 辺野古で座り込みを続けるヘリ基地反対協議会の大西照雄代表委員は、「新政権に楽観も悲観もしていません。今の動きを具体的に把握して、新基地建設の環境への悪影響や安保廃棄も前面に出しながら、見直しを米軍再編の枠内にさせないよう大きな世論をつくりたい。今が本当の勝利に向けた正念場です」と述べました。


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