2009年10月7日(水)「しんぶん赤旗」
委員会の定数削減
小沢幹事長が「国会改革」指示
民主、社民、国民新の与党3党は6日、幹事長・国会対策委員長会談をおこない、「国会議員中心の国会運営」のための国会法「改正」を検討していくことで一致しました。
民主の小沢一郎幹事長は、これに先立つ5日、党本部で三井辨雄国対委員長代理と会い、「国会改革」の一環として、衆院の各常任・特別委員会の定数削減に取り組むよう指示しました。定数が減少すれば、各議員が所属する委員会は原則として一つに絞られることになります。
小沢氏はまた、副大臣や政務官が関係委員会に原則所属することも命じました。「各省政策会議」を主催する副大臣が委員会にも出席することで、政府の政策関与を強化する狙いがあるとみられます。国会法42条は、議員は少なくとも一つの常任委員となることを課す一方、例外として正副議長や首相、閣僚、副大臣、政務官などは常任委員を辞することができると定めています。
小沢氏は1日の会見では、「国民の代表たる政治家同士の議論にしたい」と述べ、「政府参考人」制度の見直しの立場も示しています。
解説
少数会派の発言奪う危険
小沢・民主党幹事長による今回の指示は、「国会議員中心の国会にする」ためといいますが、第一にあげている「委員会の定数削減」は、少数会派の委員会審議への参加や発言機会の縮小につながります。副大臣・政務官の委員会所属によって、政府提出法案の審議が一方的に促進されることになれば、委員会審議は政府提出法案の追認機関となり、審議の空洞化をまねきかねません。
また、政府参考人の答弁禁止などについても言及していますが、現行規則でも、政府参考人を認めるかどうかは、委員会自身がきめることとなっており、これは運営のやり方の問題です。
小沢氏の指示の意図には不明なところが多々ありますが、そもそも、国会審議や運営のあり方は、全会派による民主的な議論でおこなうべきであり、与党側が一方的にやることは問題です。
いま必要なのは、国会が国民の負託にこたえ、国民のための審議をできるようにすることです。そのためには、政府・行政にたいする国会の監視機能を強化し、議員立法などの立法機能を強め、国会が国権の最高機関としての機能を発揮できる方向での改革こそが求められています。(日本共産党国会議員団事務局 白髭寿一)
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