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2009年10月6日(火)「しんぶん赤旗」

対アフガンで米苦慮

悪化する情勢 戦略練り直し


 米軍がアフガニスタンに対テロ報復戦争を開始して7日でまる8年。米オバマ政権はアフガン戦略の練り直しに苦慮しています。10万人の米軍を派遣しながら情勢は悪化の一途。現地司令官は、米軍増派を求める一方、政権の中枢は増派に慎重で削減も検討。議論は戦争継続の是非という根本戦略まで及んでいます。


 【ワシントン=小林俊哉】ジョーンズ米大統領補佐官(国家安全保障担当)は4日、米CNN、CBSのテレビ番組に相次いで出演し、アフガニスタン情勢について、「アフガンが直ちに(反政府武装勢力)タリバンの手に落ちるという危険があるわけではない」と強調しました。

 同日は、アフガンでタリバン兵の攻撃をうけた米兵8人が死亡。情勢の悪化を一段と印象つけました。現地のマクリスタル米軍司令官は最近の講演でも、事態は深刻化していると主張。米メディアによれば、同氏はオバマ政権に4万人の米軍の追加増派を求めています。

 これにたいしオバマ政権内では、バイデン副大統領やメニュエル大統領首席補佐官、ジョーンズ補佐官らは追加増派には慎重な意見とされます。米メディアによると、バイデン氏はタリバンからアフガン国民を守るよりも、パキスタンのアルカイダを空から攻撃する方が有効だとし、アフガン派遣米軍の削減を提案しています。

 ジョーンズ氏の先のの発言は「現地司令官の要求に対する間接的な拒否」と米メディアは報道しています。

 ジョーンズ氏は番組で、「アフガンでの(国際テロ組織)アルカイダの存在は縮小している」と主張。「アフガンで活動しているのは、最大でも100人を割ると推計され、米軍や同盟軍への攻撃を行う基地もない」と述べました。

 その上で、「マクリスタル司令官の発言は、自身の見解の表明だ」と指摘。対アフガン政策は軍事面だけではなく、開発や統治面についても検討した上で決定しなければならないと主張しました。


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