2009年10月6日(火)「しんぶん赤旗」
P3Cソマリア沖へ派兵
那覇市民ら海自に抗議
「自衛隊哨戒機P3Cのソマリア沖派兵反対」。5日早朝、時折ふる雨をついて、沖縄県那覇市の海上自衛隊那覇航空基地ゲート前に唱和が響きました。
アフリカ・ソマリア沖アデン湾の海賊対策で、上空から警戒監視に当たる海上自衛隊P3C哨戒機2機の部隊が同日、海自那覇航空基地(那覇市)から出発しました。P3Cの派遣部隊としては2次隊となり、指揮官の浅岡哲史1等海佐以下、海自と陸自隊員約150人で編成。ソマリア隣国のジブチを拠点に到着後、訓練を行い、10月中旬から任務を開始します。
基地ゲートでは、出発式に参加する陸自や空自の将官、米国関係者などの来賓が入門するたびに「進軍ラッパ」と、整列した儀杖(ぎじょう)兵が捧銃(ささげつつ)で迎えるなど異様な雰囲気に包まれていました。
ゲート前では那覇市の住民らでつくる「自衛隊海外派兵反対県民有志の会」が「自衛隊はソマリア沖から撤退せよ」「P3Cの海外派兵反対」の横断幕を掲げて抗議しました。
抗議行動をよびかけた女性(31)=団体職員=は「海賊対策を理由にアフリカまでの自衛隊派兵はどう考えても憲法違反。那覇から30人も派兵されており、その中に知り合いの自衛隊員がいるかもしれない。その家族の不安を思うと黙っていられません」と力を込めました。
ソマリア沖派兵をめぐっては第1次隊でも那覇の自衛隊幹部がジブチ現地部隊の副司令に就いています。
沖縄県平和委員会の与儀喜一郎理事は「沖縄の自衛隊は、米軍再編とも連動してF4戦闘機からF15戦闘機に変わり、石垣島や与那国島への自衛隊配備の動きなどアジアでの軍事緊張を高めている。そうした中での海外派兵だけに容認できない」と話しました。