2009年10月5日(月)「しんぶん赤旗」
新濃縮施設 25日に査察
IAEA事務局長 イランと合意
【カイロ=松本眞志】国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は3日、イランで建設中であることが最近明らかになった新たなウラン濃縮施設の査察日程を調整するため同国の首都テヘランに到着、4日、イランのサレヒ原子力庁長官、アハマディネジャド大統領と会談し、今月25日に査察を実施すると表明しました。
イランは新たな濃縮施設をイスラム教の聖都コム近郊に建設中であることを9月21日のIAEAへの書簡で初めて明らかにしていました。
エルバラダイ氏はサレヒ氏との共同会見で、「コムの核施設が平和目的であることをわれわれが確信するためには査察官の派遣は重要」と強調。イランがこの施設の建設を決定したときにIAEAに通告すべきだったと語りました。
サレヒ長官は、「(IAEAの)保障措置協定に基づいて査察を受け入れる」と協力姿勢を示し、施設が平和目的であることを強調しました。
エルバラダイ氏はまた、ウラン濃縮中止を要求してきた西側諸国とイランが協力関係に入りつつあるとの認識を示し、「イラン核問題は外交活動を通じて解決することができる」と強調しました。
ただ一方で、イランが核兵器保有をめざす具体的証拠はないが、その可能性への懸念は残っているとも述べました。
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