2009年10月5日(月)「しんぶん赤旗」
エジプト大統領 イスラエルに要求
中東和平へ包括的対話を
【カイロ=松本眞志】エジプトのムバラク大統領は3日、首都カイロでイスラエルに対してパレスチナの最終的地位の確立をめざす包括的対話の実施を求めました。地元紙のインタビューに答えたものです。
ムバラク氏は「いま必要なのはイスラエルの指導者たちの政治的意思だ」と主張。昨年12月のガザ攻撃以来中断していたパレスチナ側との対話を再開し、エルサレムの地位、パレスチナ難民、占領地のユダヤ人入植地、安全保障、水利権などの課題を協議するよう訴えました。
同氏はまた、「ゼロからの交渉は不合理だ」とし、イスラエルのネタニヤフ政権が前政権のパレスチナ側との合意を尊重するよう要求しました。パレスチナのアッバス議長は昨年、オルメルト前政権との間でエルサレム問題やパレスチナ自治区との境界問題でいくつかの合意を交わしましたが、ネタニヤフ首相は過去の合意は白紙に戻すとの姿勢を示していました。
エジプトは中東和平問題の仲介者として、イスラム武装抵抗組織ハマスを含むパレスチナ、イスラエル両指導部と折衝を進めてきました。