2009年10月4日(日)「しんぶん赤旗」
子の発達 阻む貧困
大阪でシンポ 打開の道探る
子どもの貧困問題を考える「こどもシンポ」が3日、大阪市内で開かれ、120人以上が参加しました。主催は同実行委員会。公的保育の拡充や高校までの授業料無償化、18歳までの子ども医療費の無償化などを求めるアピールを採択しました。
府立高校の養護教諭が、食生活や医療、学力、進路選択などの面から貧困が子どもに及ぼす実態を紹介。中退した生徒が10代で出産し、その後離婚、貧困へという「貧困の連鎖」が生じていると述べました。
保育園園長は、収入を得るための長時間労働のなかで精神疾患をもつシングルマザーの実態を紹介し、他の公的機関とも連携した支援に取り組んでいると報告。福祉事務所職員が、増大する相談に対応できない「行政の貧困」を述べました。
コーディネーターを務めた加美嘉史佛教大学准教授は、「子どもの豊かな育ち、発達を阻むのが貧困。政治、政策の枠組みを大きく変えていくことが必要」と述べました。
朝日新聞記者が、2020年までに子どもの貧困撲滅をかかげるイギリスの取り組みを報告しました。
シンポジウムは、子どもの無保険問題が明らかにされ、国を動かす運動のきっかけとなった2年前に続くもの。参加者から母子家庭の実態などが報告されました。
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