2009年10月3日(土)「しんぶん赤旗」
解説
沖縄新基地アセス
知事は答申尊重を
「事実上のやり直しと考えている」。新基地建設による環境影響評価準備書を審議した沖縄県環境影響評価審査会の津嘉山正光会長は知事への答申をこう特徴づけました。
事業者である防衛省沖縄防衛局の環境影響評価(アセスメント)の手続きは「ずさんさと違法行為の連続」でした。「2014年の完成」という日米合意に間に合わせるために、海上自衛隊の戦闘艦を投入して環境アセス法違反の「事前調査」を強行しました。方法書についても新基地の内容や航空機種、使い方が一切書き込まれませんでした。
方法書での「ジュゴンの複数年調査」を求めた知事意見についても対応せず、準備書では「環境への影響は軽微」と何が何でも“建設ありき”の「強行突破」の構えをとりました。
これに対し県民は5000通を超す意見書で「反論」、審査会に対しても調査資料を示し、意見表明の機会を要請しました。審査会は、市民団体の意見や見解を聴取、現地調査も2回実施するなど「県民の高い関心に応え、要望も参考にして進めてきた」(津嘉山会長)のです。津嘉山会長は答申の際、「知事はこうした点をくみとって(答申を)尊重してほしい」と要望しました。
仲井真知事は、1997年の新基地建設反対が多数となった名護市民投票に立ち返り、12年たったいまもクイ1本打てずにきた「米軍基地の県内タライまわし」の破たんを認めるべきです。そして、「基地のない平和な沖縄」という県民の願いにこたえ、新政権のもとで普天間基地の即時無条件返還を求めるべきです。(山本眞直)