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2009年10月2日(金)「しんぶん赤旗」

中国建国60年

民族・格差・「脅威論」を意識


 【北京=山田俊英】中国の建国60周年記念式典は、晴れがましさの中にも厳しい現状を意識したものとなりました。

 「人民に奉仕する」「党に忠誠を」など共産党のスローガンがマスゲームで浮き出る天安門広場の周りは中国を構成する民族数と同じ56本の「民族の柱」で囲まれました。色とりどりの民族衣装を着た若者が踊りました。

 昨年来、チベット自治区と新疆ウイグル自治区で民族暴動が起きたほか、国民の間で格差の拡大による不満も高まっています。

 胡錦濤国家主席は演説で、60年間の発展は「各民族・人民が心を合わせ、苦闘し、苦難を乗り越えて勝ち取ったものだ」と述べ、「団結」「苦難」の言葉を繰り返しました。「富強、民主、文明、調和の社会主義現代化国家」の建設を呼びかける一方、その課題が容易でないことを強調した演説でした。

 今回初公開された大陸間弾道弾「東風31A」の射程は従来型を上回る1万1千キロと推測され、米国が神経をとがらせています。事前に記者会見した軍の報道官は「中国軍は他国の脅威にならない」と「中国脅威論」を否定し、胡主席も演説で「中国は平和的発展の道を堅持する」と強調しました。

 昨年の北京五輪を上回る厳重な警備。天安門の下を通る地下鉄1号線は前日夜から全面運休しました。市民から「ここまでしなければいけないのか」と逆に不安の声も聞かれました。


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